東京駅、品川駅から新幹線利用をする場合、個人的におすすめの駅弁があります。
日本橋浜町えび寿屋さんの「五宝唐揚げ重」です。
この駅弁は通常の駅弁と大きく異なり、「弁当らしい弁当」として、非常に好感がもてます。また、肉好きの人にとっては5種類の唐揚げが入っており、楽しく食べ進めることが出来る駅弁です。
従来の駅弁は容器が豪華すぎる。五宝唐揚げ重は質素な容器がとても良い。
多くの駅弁を食べ歩いてきましたが、値段が高い!と思う事がしばしばあります。そういった駅弁の共通点は、容器が豪華。という事が挙げられます。
もちろん、峠の釜めしの様に容器がしっかりと釜になっていること自体に、その商品の価値があるようなモノもあるのはわかるのですが、多くの駅弁は、お弁当にて1,000円を超える値段。そして味の何とも言えない残念感も相まって、非常に割高感を感じることがあります。
この五宝唐揚げ重の容器を見てほしいのですが、シンプル、シンプルすぎます。
まるで、牛丼屋で牛丼をテイクアウトしたかのような容器です。
よほどの有名駅弁になり、その容器自体に付加価値が無い限りは、きっと皆さん駅のホームのゴミ箱に容器は捨てているはずですから、容器にお金をかけていないというだけで、好感が持ててしまいます。
唐揚げは全部で5種類。柔らかく調理された唐揚げ達は味に飽きることが無い。
五宝唐揚げ重の最大の魅力は、なんといっても唐揚げたちの多彩な味付けです。
5種類の唐揚げたちは以下の名前で呼ばれています。
- 赤から
- 白から
- 黒から
- カレーから
- とり天
それぞれ特徴的なポイントがありましたので、五宝唐揚げ重の五つの唐揚げを紹介します。
【黒から】
竹たん(竹の炭)の粉末により、黒く色付けされています。少し苦みがあるので苦手な人は苦手な可能性があります。最初にこの黒からから食べるのではなく、唐揚げ五重奏のなかの中盤に食べれば、きっと程よいアクセントになるはずです。
【カレーから】
読んで字の如し、カレー味の唐揚げです。
ぐるなびの調査では、昭和20年~30年生まれと平成14年~20年生まれにアンケートを取った結果、カレーはどちらの年代でも不動の1位を獲得しています。
唐揚げは、昭和世代で10位、平成世代だと驚異の追い上げで3位にランクインしています。
子供の人気料理に長く君臨するカレーと、追随している唐揚げをコラボレーションして、美味しくないわけがありません。
【とり天】
大分中部の名物料理であるとり天も五宝唐揚げ中には入っております。大分ではとり天はかぼすやポン酢にて食べることが多いですが、流石にお弁当にはその機能は無く、そのまま食しますが、下味がしっかりとついているので美味しく食べることが出来ます。
【赤から】
不明、衣が赤っぽい唐揚げ
【白から】
不明、衣が粉上の白っぽい唐揚げ
味を紐解きたいところなのですが、赤からと白からについては、衣の違いしか私にはわからず、そして公式HP等でも言及されていないため不明です。
五宝唐揚げ重はお米を美味しく食べさせてくれるアイデアが秀逸
駅弁を食べていて本当に嫌になるのが、お米が美味しくない事です。
これはお米の品質が悪い訳でなく、冷えて固くなったお米が非常にまずいのです。
五宝唐揚げ重の素晴らしい点として
- お米がふっくらしていて、食べやすい。
という事がまず挙げられます。冷えているのに固まっていない駅弁はとてもありがたいです。
その上で、食べている途中で飽きさせないように唐揚げ以外のおかず達も良い味を出しています。
ご飯と唐揚げの中間層には「きんぴらごぼう」が挟まれており、食感と味付けによりご飯を食べ進むことの苦悩を減らしてくれます。というよりもおいしくご飯が食べられます。
また、弁当系にはNGのはずの汁系のおかずとしてナスの煮物が入っています。汁部分が餡状になっているため、他のおかずへの付着が防がれており、また漏れも勘案されているようです。
この二つの他にも煮卵もしっかりと味付けがされており、よくあるボソボソ系のたまごではなく、美味しく食べることが出来ます。
五宝唐揚げ重は値段も1,000円以下のため、駅弁の中では比較的安価。
駅弁は高くて泣けてきますが、五宝唐揚げ重は1,000円以下で購入することが出来ます。この点も高得点の要因です。
出張の際の駅弁は大事な食事の一つとして重要なわけですが、まずい駅弁にあたると本当に泣けてきます。パッケージと実物との差がこれほどまでに大きい業界は、最近では中々無いです。
五宝唐揚げ重は新幹線の駅では東京駅・品川駅でしか購入できませんが、見つけたら買いたい駅弁の一つです。
駅弁で失敗するのは、実は肉系です。写真と実物の差が大きすぎます。その点、五宝唐揚げ重はそもそもパッケージ写真がありません。中身をみて購入できるので安心安全です。肉好きならば非常に喜ぶ駅弁だと思います。