長野県伊那市が誇るローカルな名物グルメといえば「ローメン」があります。
伊那地方に出張で訪れた際には、一度は食べてみると面白い料理です。
ローメンが生まれたお店は伊那市にある「萬里」といわれています。どうせ食べるなら元祖・発祥の店で味わってみてはいかがでしょうか?
ローメンの特徴は羊肉と蒸した麺。独特の味わいは食べたことが無い味かも?
たぶん伊那に住んでいないと聞きなれない「ローメン」ですが、料理が誕生したのは昭和30年8月と、非常に古くからある料理です。
元祖・発祥のお店「萬里」が発行している「ローメンのお話し」を読むと、誕生秘話を知ることが出来ます。
ローメンの誕生
東京・横浜で修行して故郷の伊那市に帰り、天竜川と並行して走る国道153号沿いに小さな店を出した青年(先代社長 伊藤和弐?)は、毎日考えていることがありました。それは、まだ冷蔵庫が普及していない時代でしたので、仕入れた麺を翌日まで保存することが出来なかった事でした。
試行錯誤していたそんなある日、麺を蒸してむることにしました。これが不思議に独特の風味と歯ごたえのある麺に仕上がり、日持ちもすることが解りました。その麺を、当時伊那地方では羊毛産業が盛んで羊肉が安く手に入れることが出来たので、地場産のキャベツと共に蒸し煮することにしました。シンプルな料理ですが、これがお客様に好評で、名前を「炒」チャー「肉」ロー「麺」と名付けました。後に「チャー」が取れて「ラーメン」と語呂が合い「ローメン」と呼ばれるようになり、現在に至っております。
出典:ローメンのお話し
時代を感じます。昭和30年はまだ冷蔵庫が普及していなかったようで、麺を日持ちさせるために蒸してみたというアイデア、そして当時羊毛産業が盛んだったことから羊肉が安く手に入るというタイミング、その二つが合わさって出来た料理が「ローメン」という訳でした。
また、元々は炒肉麺(チャーローメン)という名前であったことは、元祖・発祥のお店に訪れて初めて知ることが出来ました。
こういった誕生のエピソードを知ることが出来るのも楽しみの一つです。
麺を蒸したご当地グルメと言えば、京都府福知山市のゴム焼きそばもあります。こちらも独特の風味があり、面白い料理です。
また、現在ローメンには2種類のローメンがあると言われています。
スープがあるタイプのローメン
スープが無いタイプのローメン
です。元祖のお店萬里は、スープ有りのお店でした。
萬里に車で行く人は要注意。店の前の道は狭くて侵入すると大変かも。
長野県内を移動している場合、多くの方が「車」で移動していると思います。
伊那エリアを車で移動しているから、ついでに萬理でローメン食べてみるか!と思いついた場合でも、店へのアクセスはちょっとした注意点があります。
それは、萬里前の道路は非常に狭くそして駐車場も無いため、カーナビなどでセットしてお店前まで移動してしまうと、非常に大変な思いをする可能性があります。
↑萬里に入っていく道。対向車くると結構キツイ道幅。
車で行く際には、萬里近くになったら目の前まで行くことはやめて近くのコインパーキングなどに車を駐車し、歩いてお店に向かう事をおすすめします。
また、県内同じ名前のお店が複数あるので、一応発祥の店の行きたいという人のために住所を乗せておくと、
長野県伊那市坂下入舟町3308
となります。こちらの住所の萬里本店がお店となります。
萬里のローメンはとにかく甘い。もう一度言います、とにかく甘い。自分で好みの味付けを加えていくスタイル。
萬里についたら、さっそく「ローメン」を注文してみましょう。
お店のメニューには、「初めての人はローメンを注文することをおすすめします」といった文章も書かれています。
流石、元祖・発祥のお店ローメンをしっかりと押してきてくれます。
注文して約5分ほどでしょうかローメンが目の前に登場しますので、是非そのままスープを一口飲んでみてください。
100人いたら100人が思うはずです、「甘い、甘い、甘すぎる」と。
萬里のローメンはそのまま食べるのはかなりの確率で困難なほどに、「甘い」です。
テーブルクッキングを推奨しているメニューだった!調味料を入れるのをテーブルクッキングと表現するのははじめて。楽しい。
それもそのはずです、萬里のローメンはテーブルにある調味料たちを自分好みで足していき味を調えるのが「前提」となっているようです。
↑萬里のローメンというか、ローメン自体が調味料をいれて整えるタイプが多いです。
萬里による「ローメンのおいしい食べ方」を見てみると、
- 最初にソース・酢をひと回し位づつおかけ下さい。
- お好みによりゴマ油・七味唐がらし、おろしニンニクをかけてもおいしく食べることが出来ます。
- 以上の分量はお好みに応じで増減させよくまぜてお食べ下さい。
と書いてあります。
↑店内に用意されている調味料たち。
これらを使ってローメンを自分で美味しく仕上げていくというわけです。
個人的なおすすめはソース使わない。ゴマ油・ラー油・七味・醤油などでとにかく塩味と辛みを増していくタイプ。
この食べ方自体は自由ですし、味は個人の好みがあるので断言は難しいですが、一応注意点と個人の好みをお伝えしておきます。
まず、店内のおすすめに従い、「ソース」を投入すると甘さから逃れることが出来なくなります。
元々甘い味付けに、甘味の強い「ソース」を加えるわけですから、そりゃあ更に甘くなります。
ソースを選択するひとは、甘いのがとにかく好きだ!という人に限定されます。
個人的には甘味は十分にスープについているので、甘味ではない味を付加していくほうが好きです。
醤油で塩味を追加し、七味とラー油で辛みを追加し、ゴマ油にて風味を付加し、ついでに加えるとしたらニンニクを少量追加し(仕事の合間の方はご注意ください)、甘味以外の味を加えていくことにより、ようやく甘味地獄から脱却し味が整うと、信じています。
↑ニンニクは不思議なスープ状になっていました。
この辺りは、自分自身のお気に入りも探すのが楽しみでもありますので、あくまでもご参考に。
ラーメンとも焼きそばとも、他の麺類とは一線を画すオリジナルな麺料理「ローメン」を楽しんでみてください。
萬里はローメン以外のメニューも独特すぎて興味をひかれる。
それにしても、この萬里ですがローメン目当てで来る人が多いと思いますが、メニューや店内を見ると、見慣れないメニューだらけで興味深いです。
お店のメニュー表によると、人気No.1のメニューはローメンではなく、「豚頭(とんとう)」との事です。
豚頭が人気No.1メニュー、、食べてみたい。
また、メニュー表には無いですが店内に掲示されているメニューを見てみると、、、
大スズメ蜂?アルマジロ?虎のペニスと睾丸?コブラ?オットセイのペニスと睾丸?
見慣れない文字が踊ります。お酒なのでしょうけど、飲むのに勇気がいりますね。
この他にも、馬の心臓なども普通にメニューに書いてあり、ある種異様な雰囲気を持つお店です。
個人の好みが極端に分かれますので、ご利用の際にはご注意ください。