日本各地で元祖・発祥の店を巡る旅を行っている中で気になるのが、「本当に元祖なのか?」というメニューを提供しているお店たち。
有名メニューやご当地グルメには「これぞ元祖!」という店が他の情報含めて出ていたりするので、店選びに活用したりしますが、誰もが知っているが微妙に認知度が無いメニューについては情報すらないことも多くあります。
長野県戸隠にて「そばソフトクリーム元祖」をうたう、お蕎麦屋さん仁王門屋があり、本当に元祖なのかを調査してきました。
長野県戸隠は石を投げれば蕎麦屋にあたる蕎麦屋密集地帯。
長野市の戸隠は蕎麦屋が本当にたくさんある蕎麦屋密集地帯です。
車を走らせると至る所に蕎麦屋の看板があり、どこで食べることができるのか悩みに悩むことができる贅沢なエリアです。
出典:長野市商工会
↑この奥社・中社地域以外にも蕎麦屋はたくさんあり、登録だけで47店ありました。
市町村合併にて現在は長野市ですが、旧戸隠村の人口は約4,000人ほどだったという記録をもとに考えると、一つの地域に約50ほどの蕎麦屋が乱立しているのは非常に密集度が高いです。
その中の蕎麦屋のひとつ「仁王門屋(におうもんや」ではそばソフトクリームの元祖をうたう看板を見つけることができます。
そばソフトクリーム元祖を宣言する掲示物。
仁王門屋にて蕎麦とそばソフトクリームを食べるのと合わせて本当に元祖なのかをお店の人に聞いてきました。
お店の人から得た情報だと「戸隠では元祖は確定」本当に戸隠限定なのか全国的に元祖なのか調査してみた。
そばソフトクリームを頼む際に、お店の人に
本当に元祖なのか?を聞いたところ、
「戸隠地方では元祖であることは間違いない」
と、ある意味強気な、そして良く考えると弱気な答えをもらうことができました。
出典:仁王門屋
しかし、お店の公式HPを見てみると、しっかりと1995年に開発されたことが明記されており、他の都道府県・エリアにて1995年以前のそばソフトクリームの情報が無ければ、この仁王門屋がそばソフトクリームの真の元祖として君臨できるはずです。
私に戸隠ではといったのは、確定的なことが言えない歯がゆさの裏返しだと受け取り、勝手にWEB上に1995年以前のそばソフトクリームの情報があるのかどうかを確認してみました。
地道にそばソフトクリームのWEBページの有無を調べた。
この手の調査をするときに私がとる手法は、
「そばソフト 1995」
「そばソフト 1994」
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「そばソフト 1985」
といった具合に年数をいれてヒットするページがあるのかを調べます。
記事の更新年だったり、そばソフトについている記事に年数が含まれている際に検索できるからです。
苦行です。
結果、他の年数ではそばソフトクリームの情報は出てきませんでした。
他の元祖そばソフトクリームを名乗るお店も調査
他のアプローチ方法としては、これまた地道に
「そばソフトクリーム 元祖」
「そばソフトクリーム 発祥」
「そば ソフト 元祖」
などといったワードで検索し、出てきたお店の歴史を食べログにあげられている画像などから、提供年を調べていくという方法をとりました。
この方法では、石川県白山市にある「蕎麦 山猫」さんが、そば茶ソフトの元祖として確認することができました。
他のエリアでもそばソフトクリームを提供するエリアはあるのですが、「元祖」や「発祥」というワードではヒットせず、上記の山猫さんがあがってきた次第です。
結果、蕎麦山猫さんの創業は2012年ごろと判明しましたので、1995年にそばソフトクリームを提供し始めている仁王門屋のほうが古いことがわかりました。
他の方の主張が無ければ、そばソフトクリームの元祖は仁王門屋といってよいのではないでしょうか。
(そば茶ソフトとそばソフトが全く別のモノです!ということであればごめんなさい)
数時間WEBの海を漂いましたが、そばソフトクリーム元祖については仁王門屋以外の有力な情報も少なく、主張している店もほぼないことから、私個人としては開発年も経緯も明記されている仁王門屋さんを勝手に元祖認定したいと思います。
もし、1995年よりも前にそばソフトクリームを開発し安定的に供給している店を発見したら上書きしておきたいと思います。