長野県高山村にある「子安そば文の蔵」は、そんじょそこらのこだわりの蕎麦屋ではなかったです。
なんと、使っているそばは全て高山村産。つまり、完全ご当地グルメを実現している貴重な蕎麦屋でした。
文の蔵の蕎麦は半径2キロという驚異の地元グルメ
長野県高山村の「子安そば文の蔵」、驚くべきはそのそば粉の収穫範囲。
私が利用した際のお店の説明文を読むと、
これからお出しするお蕎麦はここから半径2キロ以内(牧・福井原)の土地で採れた玄そばを殻ごと使用した二八そばになります。
出典:子安そば文の蔵 店内説明文
こだわりは、お店の公式HPにもかかれています。
そば粉について
高山村に訪れて、高山村を食べてもらう、をコンセプトに完全高山村産の地粉を使用しております。
玄そばから丸ごと挽くため、色が黒く、味も濃くなります。さらに、ひと袋ずつ挽いていますので、常に挽きたての粉でそばを打ち、新鮮な状態でお口に運んでいただけます。出典:子安そば文の蔵
ここまで収穫範囲を限定している蕎麦は個人的には初めて。
説明にも書かれているとおり、せっかく高山村まで来たのであれば、高山村産の食材を美味しく食べたいというのが人の心情ではないでしょうか。
そんな顧客のニーズを完全につかんだ完璧なる食材選びです。
歓喜している理由は長野県でも長野県産のそば粉を使っている店で食べるのはちょっと難しいという事実
この完全地元産のそば粉を使っていることにこれほどまでに歓喜しているかというと、長野県産のそば粉を使っている店でそばを食べることの難易度にあります。
信州そばという名称で有名となっている長野の蕎麦ですが、定義としては信州産のそば粉を40%以上つかっていること。という一文が含まれます。
つまり、残り60%は他の都道府県や海外産の蕎麦でも信州そばといえる。という事でもあります。
上記は定義の問題なのでよいのですが、中には本当に信州産のそば粉をつかっているのか?という店もあったりします。
そばは季節ものですので、どうしても供給量に限りがあります。売り切れ御免のような制度が無い店は、圧倒的な仕入れ力を誇っているか、うやむやにしている。のどちらかど個人的には考えます。
↑長野県で信州そば食べたいときには安心の信州そば切りの会
信州そば切りの会という、信州産のそば粉にこだわった会が作られていることからも、そうでない店もあるということが、逆説として理解できてしまいます。
上記のことを理解した上で、文の蔵の「半径2キロ」をみてしまうとそのすさまじさに驚愕せざる得ないです。
天ぷらそばを食べましたが、完全に蕎麦が主役の料理となっていて非常に満足度高し。
メニューをみると「お米」にもこだわっていたので、ご飯ものとのセットを考えましたが、熟考した結果「天ぷらそば」を選択。
個人的な感想で恐縮ですが、蕎麦が弱い店で天ぷらそばを食べると、食後天ぷらの印象しか残らないことがあります。
つまり、蕎麦がうまくない。
しかし、文の蔵の天ぷらそばは私の杞憂を吹き飛ばす、強烈な蕎麦のおかげで完全に蕎麦が主役の天ぷらそばでした。
本当にニ八蕎麦なのかと思ってしまうほどの蕎麦の色、美しかったです。
私が驚異的な味音痴で何を食べてもおいしいと感じてしまうのですが、この蕎麦をその上を超えてくる「とても美味しい」でした。
月並みな表現ですがそば粉の香りが鼻腔を抜けるのが心地よい。とてもおいしいそばに出会うことが出来ました。
食後の感想としては、天ぷらそばではなくてそばだけ食べても良かったかな。むしろそちらのほうが満足度高かったのではないか?と感じるほどでした。
長野県の高山村はなかなか仕事で行くことが無いのですが、次回訪れた際には蕎麦だけ頼んで、腹いっぱい食べたいと思います。