世界各国の肉を食べ歩くことをライフワークとしていますが、カナダでも最高においしい肉に出会うことができました。
それはカナダのアルバータ州で飼育されている牛たち。この牛肉、赤身が主体なのに和牛のような柔らかさを保持しており、それでいて赤身の旨さも兼ね備えている恐ろしい牛肉でした。
カナダに行ったのであれば、おいしいアルバータ牛を食べてみてください。
カナダの牛肉の生産約40%を占めるアルバータ州の牛肉。
日本の感覚で考えると「アルバータ牛」と名付けられているので、なんだかブランド牛のように希少価値が高い牛肉に感じるかもしれません。
しかし、実際にはそのような状態ではなく、カナダで生産される牛肉の約40%はアルバータ州で畜産されている牛肉となります。
アルバータ州には数多くの肉牛専業生産者がおり、生産量はカナダで最大です。約500万頭の牛および子牛を生産し、カナダの全生産量の約40%を占めています。
ということで、ほとんどのステーキ屋では普通に頼めばアルバータ牛である可能性が高いです。
また、メニューにしっかりとAlberata(アルバータ)と表記されている場合もあるので、
「アルバータ牛食べたぞ!」と実感を持ちたい人は、書いてあるステーキ屋にあたるまで食べ歩いても面白いかもしれません。
アルバータ牛は有名品種を掛け合わせたハイブリッドな肉牛だった。
アルバータ牛はどんな牛の種類なのかを調べてみると、主にはヨーロッパ系の牛を掛け合わせての牛肉でした。
使われている牛たちの国々を列挙すると、
- ブラックアンガス イギリス
- ヘレフォード イギリス
- レッドアンガス イギリス
- シンメンタール スイス
- シャロレー フランス
- リムーザン フランス
となっており、そして名前を見ただけでも有名な牛が並んでいます。これらの牛たちを掛け合わせ作られたのが、アルバータ牛になるのですね。おいしいわけです。
餌はグラスフェッドとグレーンフェッドの良いとこどり!牧草で育てて穀物で仕上げているようです。
いくらポテンシャルがあっても、育て方によって美味しい肉になるのか否かが決まるわけですが、餌を見てもこだわっていることがわかります。
アルバータ牛はメインは牧草で育て(グラスフェッド)、最終仕上げで穀物を餌に(グレーンフェッド)切り替えているようです。
この二つの餌で仕上げる方法は、アルバータ牛だけではなく他の国、牛でも取り入れられている手法ですが、
風味豊かなグラスフェッドと、脂肪分がついてコクがでるであろうグレーンフェッドのいいとこどりをしている育て方と考えられています。
やはり、アルバータ牛。美味しくないわけがありません。
柔らかいのに赤身。なんだか不思議な気分になるアルバータ牛のステーキ。
実際に食べてみると、赤身なのに硬くないという不思議な食感を楽しめます。
日本人的感覚で言うと
- 黒毛和牛:柔らかい
- 外国産の牛肉:硬い
という固定観念が生まれてしまっていますが、その悪しき考えをガラガラと壊してくれる素晴らしい牛肉です。
私がアルバータ牛を食べて一番驚いたのは、火が入っているのに柔らかいという特徴。これは黒毛和牛の柔らかさはとは根本から異なり、牛肉の新しい領域を発見させてくれました。
非常に生に近い焼き方なのではないか?と思われたかもしれませんが、これはミディアムレアの焼き方です。
食べてみると生ではなく火が入っていることがわかるのですが、和牛によくある霜降りなどは一切入っていないのに、肉は柔らかくそして噛めば噛むほどに旨味がでてくる非常に美味しいステーキでした。
あまりに美味しすぎて同じ店にもう一度食べに行ったほどです。
この火が入っているのにしっとりとして柔らかいというのは、店のうまさもあるかも知れませんが、アルバータ牛に対する多くの情報でかかれている点でもあるので、牛の特徴なのだと思います。
他の店でも、もちろん食べ歩いてきました。
こちらは表面は普段食べているステーキと同じように焼いた色がついています。
ナイフでカットしてみると、やはり中身は赤くても柔らかい肉でした。
何度食べても美味しい。
これは肉が好きな人であれば、一度は体験しておいたほうが良い牛肉だと思います。黒毛和牛も最高においしいですが、世界には美味しい肉がまだたくさんあります。盲目的に和牛や霜降りに夜やわらかさを信奉するのではなく、実際に食べてみて評価していかないと、うまい肉には出会えないなと感じました。
是非、カナダに行った際にはアルバータ牛を食べてみる事をおすすめします。