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種子島では世界的に珍しいインギー地鶏を食べることができてしまう。食べないわけにはいかない。むしろ食べなくては。

種子島には100年以上前に人が人を助けたことにより伝わった、まるで漫画のような鶏がいます。

それがインギー鶏。

このインギー鶏は天然記念物にも指定されているものですが、なんとか食用にして名物にするぜ!と誕生したのが、他の鶏と交配させたF1種であるインギー地鶏。種子島では、このインギー地鶏を食べることが出来ると聞き調査に向かいました。

実際にインギー地鶏を食べるためには乗り越えなければならない困難がありましたが、種子島の歴史と共にあゆんできた貴重な鶏をたべてきたのでご紹介します。

 

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インギー鶏はイギリスの難破船を助けたことにより種子島に伝わった歴史ある鶏

 

インギー鶏と種子島の歴史は古く明治27年迄遡る必要があります。

 

イギリスの貿易帆船「ドラメルタン号」が上海から香港に向かう中で暴風に合い遭難、それが種子島に流れ着き、島民がイギリス人たちを介抱した結果、お礼に渡された品の中にインギー鶏が含まれていたようです。

 

ドラメルタン号は上海から香港に向う途中暴風に遭い明治二十七年四月二十五日下中前の浜に漂着した乗組員二十九名のイギリス貿易帆船である
下中の人達は異様な風貌の異国人に驚いたが才川周ヱ門宅ほか二軒の民家に乗組員を収容し手厚く介抱した
同年五月十八日イギリス東洋艦隊から六隻の軍艦が到着船の修復を終えて八月十六日長崎へ廻航されたがこの間の温情に感激した乗組員は別れを惜んで時計花びん額縁など数々の品物を贈り帰国後は滞在中の謝礼を送金している
下中にしかいない「インギー鶏」はこの船で飼われていた鳥の名残りである

出典:ふるさと種子島

 

インギーという呼称は鶏の正式名称ではなく、当時イギリス人たちのことを「インギーさん」と呼んでいたことから、彼らから贈られたこの鶏たちを「インギー鶏」と呼び始めたという伝えが在ります。

 

 

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インギー鶏は,明治27(1894)年,種子島に漂着したイギリスの帆船ドラメルタン号から島民が譲り受けた鶏で,名前は当時,島民がイギリス人を「インギー」と呼んでいたことに由来します。

尾骨はありますが,尾羽は発育不全の縮れで尾がないように見える珍しい鶏です。また,コーチン種の系統に属する中国南部の品種と考えられますが,100年以上にわたる改良・淘汰で固有の鶏種として確立されていると考えられることから,遺伝学の分野から見ても貴重です。

出典:鹿児島県教育委員会

 

このインギー鶏は、イギリスの方達から贈られたからといって、イギリス原産の鶏という訳ではなく、ドラメルタン号が中国にて乗せた食用の鶏だったそうです。

 

一説によるとインギー鶏の祖先は、中国広東省の英陽鶏という鶏だといわれています。

 

この英陽鶏が種子島に伝わり、そこから100年以上も大切に育てられ今では種子島にしか原種が残らない鶏ともいわれています。

 

当時の方達は、イギリスの人を見る機会なども無かったと思いますが、そんな状況下でも他国の人を救い、そして彼らから渡された鶏を大切に育て続けているという事実は、種子島の素晴らしい歴史の1ページであることは間違いありません。

 

 

鹿児島県の天然記念物指定を受けたことにより、インギー鶏は食べることが出来なくなった。

 

この貴重なインギー鶏は2013年4月に鹿児島県の天然記念物指定をうけたことにより食べることが出来なくなりました。

 

そのため、現在ではインギー鶏の雄と他の品種である横斑プリマスロックの雌を掛け合わせたF1種をつくり、それらが食用のインギー鶏として販売及び飲食店で提供されています。

 

明確な基準は見つけることが出来なかったのですが、インギー鶏から作られたF1種のことをインギー地鶏と呼称し、区別していると思われます。

 

ということで、インギー地鶏は今でも食べることが出来るのです。

 

(2013年4月以前であれば、インギー鶏も食べられた?と考えると、悔しさがこみ上げますね。)

 

 

 

種子島でインギー地鶏を食べるのは思っていたよりも大変だった。基本的には宿泊施設が運営する食堂で食べることが出来る。

 

インギー地鶏の存在を知ってから、どうしても食べてみたくて種子島での食事を夢見ていたのですが、実際に種子島に行くことを決めてからインギー地鶏を食べることが出来る店を探してみて驚きました。

 

全然食べることが出来る店が無い。

 

地元の名産品として多くの飲食店でメニュー化されているのかな?と勝手に考えていたのですが、全然「売り」としている飲食店を探し出すことが出来ずに、困りました。

 

検索して出てくる代表的な店以外ではあまり食べることが出来ないっぽいです。

 

調べた上で出てきたお店は

 

  • 美の吉(南種子町)
  • インギー地鶏の里(南種子町)

 

上記のお店以外にも、少しは情報が出てくるのですがどこも大々的に売り出しているというよりは、一品として用意されている感じ。

 

名物であるはずなのに食べることが難しい。それがインギー地鶏の最初の感想です。

 

これは、推測ですが上記の2つの飲食店はそれぞれ養鶏も行っており、そこでインギー地鶏を生産しているからこそ、飲食店としての仕入れを確保できているのだと思います。

もともと2013年の天然記念物指定段階でのインギー鶏の羽数は、「88羽」という情報もあったので、そこからF1種を作るとしても数が限られることが容易に想像できます。

 

やはり見つけたら即、食べておくべき食材なのだと思います。

 

 

インギー地鶏を「美の吉食堂」で腹いっぱい食べてきた。

 

数少ない選択肢の中から、私は南種子町の美の吉食堂にてインギー地鶏を食べてきました。

 

 

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もう一つの選択肢であったインギー地鶏の里にも行ったのですが、そちらは臨時休業で食べることが出来ず、かなりショック。食べ比べしたかったのですが。

 

美の吉食堂は土日は朝早くから営業していますし、定休日も無い記述になっていますので、非常に観光客でも利用しやすいお店だと思います。

 

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前述したとおり、美の吉食堂では自家鶏舎をもっておりそこでインギー地鶏の飼育を行っているため、安定した供給が実現しているのだと思います。

 

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焼き鳥定食などの様々なメニューがあり、迷いに迷ったのですが、

インギー地鶏の陶板焼き定食と刺身を注文しました。

 

歯ごたえ十分なこの鶏は一言でいうと「うまい」噛みしめる力が必要。

 

インギー地鶏を食べてみての感想は、「硬い、うまい」です。

 

他の鶏のように長い歴史の中で様々な品種との掛け合わせを行い、食用に最適化してきた鶏とは異なり、そのままの遺伝子が残っているのが特徴ですので、

 

やはり他の鶏と比較すると「硬い」です。

 

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↑インギー地鶏の刺身

 

しかし、噛みしめるほどに次第に旨味が勝ってくることが体感できます。

 

脂分が多いわけではないので、わかりやすい旨味というよりは肉を噛んでうま味を抽出しないといけない感じといいましょうか、とにかく噛んで噛んで美味い鶏なのです。

 

刺身と比較して、陶板焼きのように火をいれた状態のほうが美味しく感じました。

 

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↑インギー地鶏の陶板焼き定食

 

身を見て頂いてもわかる通り、脂分は少ないで火を入れても食感が豊富である点はかわりません。

 

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むしろ火を入れることにより、歯ごたえが強くなるわけですが、反面生の状態ではわかりづらかった肉汁の旨さが際立ちます。

 

個人的見解ですが、インギー地鶏は火を入れて食べたほうが美味しいと思います。

 

これが、100年以上前から続く味か~、と歴史を感じながら食べていたら、まさに一瞬で食べ終わってしまいました。とても良い経験でした。

 

品種改良を経ているわけではないので、普段の鶏肉とは目指している方向性が異なるわけですが、これはこれで大変おいしい肉でした。

 

やはり種子島に訪れたのであれば、一度は食べておきたい肉であることは間違いありません。

 

是非、出張・観光で種子島を訪れたら時間を作ってたべてみてください。

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