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飛行機に乗ると被爆する?飛行機と被爆量の関係性と線量計算ツールのご紹介

飛行機に長時間、そして多数乗っていると地上にいるよりも被爆するという話をよく聞きますが、それは本当なのでしょうか。

航空会社勤務の方が最多最長で飛行機に乗りますが、出張利用のビジネスマンも多くの時間を飛行機で過ごします。

飛行機と被爆の関係性をまとめました。 

 

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パイロット・CAの人たちの被爆量(被ばく量)は一般的な生活をしている人の2~3倍弱ほど。

普段私たちが生活しているだけでも宇宙から飛来している放射線が自然放射線として一定量、被ばくしています。

自然放射線は調べてみると、世界平均で2.4ミリシーベルトという量です。

 

 

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出典:原子力2009

 

対して、飛行機に多く搭乗しているパイロットや客室乗務員の方達の被ばく線量を調べてみると、一般的な生活を送る人よりも多くの放射線を浴びていることがわかります。

 

独立行政法人放射線医学総合研究所(放医研)の協力を得て、乗務員約1万8千人の宇宙線被ばく管理を2007年度より開始した。

その初年度の推計結果によれば、運航乗務員の被ばく線量は平均1.68mSv、最大3.79mSvで、客室乗務員は平均2.15mSv、最大4.24mSv

出典:航空機乗務員の被ばく管理に関する考察

 

上記の数字に、自然放射線も加わるため自然放射線を加算してみると、

 

運航乗務員(パイロット) ⇒ 4.08~6.19ミリシーベルト

客室乗務員        ⇒ 4.55~6.64ミリシーベルト

 

が推計値となります。

 

一般人よりも多く量にして2~3倍弱の被ばく量があることがわかりました。

 

被ばくする理由は高度と飛行機の素材。

 

飛行時間が多いパイロット・CAの方の年間被ばく量が多い理由は単純です。

 

宇宙から降り注ぐ放射線は大気によって軽減されたりハジかれたりしていますが、硬度が上がれば上がるほどその影響が小さくなり、高い場所を飛行する飛行機には強い放射線があたるからです。

 

それでも、飛行機の素材を鉛やコンクリートにできれば軽減できますが、重量=使用燃料=料金の関係もあり、そういった改善策は現実的ではありません。

 

実際には軽量な炭素繊維が使用されていますが、軽量なものは放射線の種類によっては遮蔽しきれませんので、必然的に飛行機に乗っていると地上で生活しているよりも大量の放射線を浴びることになります。

 

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出典:原子力2009

図を見るとγ線などは遮蔽出来ないであろうことがわかる。

 

ということで、パイロット・客室乗務員でなくとも飛行機搭乗が多い人は、他の方に比べると多くの放射線を浴びていることは明らかです。

 

飛行機搭乗回数が多い人も注意が必要かも。

飛行機に良く乗るのは、パイロット・客室乗務員だけではありません。

仕事にて飛行機にのることが多い人や、趣味で飛行機に乗りまくっている人たちがいます。この人たちは一般の人たちに比べて飛行機に乗る回数が多いのでもしかしたら注意が必要なのかもしれません。

 

ただし、世界で一番飛行機に乗っているであろうトムスタカーさんの獲得マイルから飛行時間を算出し、被ばくの関係性を調べた以下の記事によると、それほど気にすることでも無いとも思えます。

 

スタカー氏が機内で過ごした合計時間さえ分かれば、計算が可能だ。飛行機の想定平均速度 (550mph) をもとに、スタカー氏が記録した18,000,000マイルのフライトにかかる時間を計算すると、32,727時間 (3.7年) となる。

~中略~

がん全体の発生率は放射線量1mSvにつき0.005% 増加すると考えるのが妥当とされており、一般的な計算方法となっている。するとスタカー氏の場合は、放射線量が100mSvなので、一生のうち致死性のがんにかかるリスクは約0.5% 増加する。

~中略~

スタカー氏のように18,000,000マイルを飛行機で移動した男性が200人いるとすると、そのうち1人だけがそのフライト時間が原因でがんになるということだ。残りの199人に健康被害はない。つまりスタカー氏がこの不運な1,800万マイル利用客になる可能性は極めて低い。

出典:NewSphere

 

なによりも飛行機の中で3.7年分の時間を過ごしているという事に驚くわけですが、それでも0.5%のリスク増大ということですから、ここに至るまで飛行機に乗り続けてもこの程度です。

 

いやーー飛行機良く乗っているんです。ぐらいのレベルであれば心配することも無いと思います。

 

 

 

 

アジア・豪州に飛ぶよりも欧米に飛行機で移動すると被ばく線量が多い。

おもしろいなと思ったのは、利用している路線によっても被ばく線量の差が出ることです。

 

成田ーサンフランシスコと成田ーシドニーの路線でそれぞれ登場した場合の被ばく線量をグラフにしたものがありました。

 

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出典:航空機搭乗者の被ばく線量 (09-01-05-11)

 

図を見てもらうとわかる通り、シドニーに行くよりもサンフランシスコに飛ぶほうが被ばく線量が多いことがわかります。

 

また、違う論文にも同様のことがかかれていました。

 

シカゴへ の往 復飛 行(搭 乗 時間:25h)に お ける実効線量値は0. 2mSvに達し, 搭乗時間(21h)の 近 い豪州オークラ ンドへの飛行で浴 びる線量の3倍 近くなっている。この違 いの理由は, 地磁気の構造(地球をとりまく磁力線の分布)から, 高緯度地方ほど宇宙線が大気圏内に入り易いことに因る。

 出典:航空機乗務員の被ばく管理に関する考察

 

これによると、高緯度地方ほど宇宙からの放射線が大気圏内に入りやすいとされ、アジアや豪州路線での被ばく量が少ない要因とされています。

 

気になる人には専用の計算サイトもあるのでご紹介。

 

個人的には全く無視している飛行機搭乗時の被ばく量ですが、気になって仕方ない!という人のために、計算ツールがあるサイトをご紹介します。

 

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 が提供してくれている、航路線量計算システムです。

 

航路線量計算システム (JISCARD)

 

すごいですよね、勉強って。

 

こんなシステムをつくって公開してくれているんですから。

 

ご紹介したURLからウェブサイトに行き、トップ画面にある「航路線量計算」をくりっくすれば、計算ツールを使うことができます。

 

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出典:JISCARD

 

出発空港⇒到着空港⇒飛行時期 の順に入力していくとクリック一つで、そのフライトで浴びる線量を計算してくれる、まさに誰得な計算ツールとなります。

 

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出典:JISCARD

 

このシステムが素晴らしい点は、出発・到着の空港選択において空港コードのみの入力ではなく、都市コードや日本語での都市名入力でも認識してくれる点。

日頃空港コードを使う人は一部しかいませんので、このような配慮はありがたいです。

 

注意点しては、「Flash」を用いたツールなので現代の環境ではFlashの有効化が必要になるであろう点です。

(パズルのピースのようなアイコンをクリックして有効化すれば使えます)

また、Flashはセキュリティの観点から使用したくない人もいると思いますが、その場合は諦めてください。

 

 

 

たくさん飛行機に乗ることが多い人は、少しだけ気にしておいたほうが良い点なのかなと思います(私自身は気にしませんが)。欧米路線に乗る際には、ちょっと厚めの服にしたほうが良さそうです、意味は無いと思いますが。

それにしても、計算ツールがあるなんて、、勉強って素晴らしいですね。

 

 

 

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