イエローナイフでオーロラをみるにあたり、定番のオーロラツアーの「オーロラビレッジ」を利用しました。メインのオーロラツアー利用時は日によってはマイナス30℃~40℃という極寒の世界に体をさらすことになります。防寒着に対しての情報と、その他持っていくと便利な装備品をまとめました。日本で用意すべきものもあるので、オーロラビレッジに参加予定の人は行く前に読んでみてください。
オーロラビレッジツアーで貸し出している防寒着は借りておいたほうが良い。
私は冬に寒い場所に行くのが好きなので、冬季の装備はかなりそろえているほうです。それでもイエローナイフでは、オーロラビレッジの防寒装備を借りておいてよかったなと思います。
貸してくれる防寒装備は以下になります。
- ダウンジャケット
- ズボン
- 手袋
- スノーブーツ(靴)
- フェイスガード
結論全部貸してくれるのですが、ご自身の装備が充実していて借りるつもりは無い!という人のために私の手持ち装備と比較しておきます。
ダウンはカナダグース製のダウンでした。体感的な性能比較をすると600フィルパワー以上のダウンだと思います。
ダウンの性能を表す一つの指標にフィルパワーというモノがあります。
これは、羽毛のかさ高を示す指標で⇒どれほど空気保有できるのかを表す指標となります。
Wikipediaによると、
羽毛1オンス(28.4g)当たりのふくらみ度合いを立方インチ(2.54cm立方)で示す。例えば、「600フィルパワー」とは1オンスの羽毛が600立方インチの体積にふくらんでいることを表し、数値が大きいほど良質なダウンと言える。
とあります。
そしてこのフィルパワーが
良質ダウン | -FP600~700 |
高品質ダウン | FP700以上 |
600以上あると良質ダウンとなります。
私はが普段寒い場所に行く際に使用しているダウンは、ゴアテックス製の600フィルパワーのダウンですが、借りることが出来たダウンはこれよりも暖かかったので、体感600フィルパワーより暖かいとなります。(触った感じは薄いのでかなり不安でしたが着たらあたたかかった)
また、昼のアクティビティの中で煙を浴びる可能性があるモノがあり、その際に自分のダウンだと、いぶされて臭くなってしまうので、借りたほうが無難です。
サイズ確認は必ず実施しましょう!
この貸してくれる防寒着たちですが、借りたらすぐにサイズの確認を行ってください。
これはツアー会社の人も注意してくれますのでそれに従って、すぐにサイズ確認を行い、サイズが合わない場合はすぐに交換を申し出てください。
私はズボンが極大に大きくてすぐに交換しました。対応してくれるのが現地時間の17時と聞かされており、ホテルにチェックインしてすぐに確認してもぎりぎりの時間でした。
即、確認を実行しましょう。
特に良かったのはスノーブーツ。これは外せない装備。
ダウン以上に助かったのはスノーブーツ。
私は温かい靴として寒い場所に行くときはウォータプルーフで保温も考えられている靴を履いているのですが、正直これでもイエローナイフの冬にはきつかった。
街歩きは全く問題ないのですが、オーロラビレッジがあるのは山の中で、そして夜のためかなり冷え込んできます。
時期とタイミングによりますが、寒い日では-30℃を下回る日もあり、さすがに専用の装備のほうが安心感がありました。
貸してくれた靴は、中にフェルトが入っていてかなりあたたかかったです。ただし、調湿という概念がないので、夜に履いたら脱いで中のフェルトを乾かしておかなければなりません。
日中歩き回るためにも、ご自身で履いていく靴もスニーカーなどではなく、あたたかい靴を履いておく必要はあります。
防寒着以外の装備は、山登りを参考にしよう。ヒートテックは辞めておきましょう。
貸してくれる装備だけでもなんとかオーロラビレッジツアーは乗り切れると思いますが、ご自身で用意しておく寒さ対策についてお伝えします。
-30℃以下の世界となると最早日常とは別世界です。
しっかりとレイヤリングを考えた防寒具の準備が必須となります。
レイヤリングは登山などの雪山に行く際には必須の考え方になります。 しっかりと素材特製を理解した上での防寒対策を心がけましょう。
防寒具1 ベースレイヤー
アンダーウェアを除いた際に、一番下に着る服です。
直接肌に触れるものですので、肌触りも重要ですが、何より保温を考えた素材選びが重要になります。
このベースレイヤーを選ぶ際に注意点があります。
まず、絶対に「綿」を避けてください。
登山やウィンタースポーツをやっている人だと常識になっています。綿はダメです。
綿は寒いエリアではベースレイヤーとしては不適切です。
寒いエリアでの基本は汗をかいてもすぐに乾くこと、濡れた衣服で体温を奪われない事です。「綿」は吸水性がよいですが、そのまま乾かず濡れて残ります。これが寒いエリアだと体温を奪う要因になるので、要注意の素材です。
また、某服飾ブランドの「ヒートテック」も避けてください。
こちらは、原材料に「レーヨン」が含まれており、これも速乾性に難がある素材と言われております。
運動をしないような場所での着用であればOKかもしれませんが、オーロラビレッジツアーでは、防寒着を着込んだうえで歩き回ることもあります。運動を伴う用途には向きません。
結論、ベースレイヤーとして是非揃えてほしいのは「ウール」素材のものです。
ウールの特徴として私達の発汗の際に熱を出すという特徴があります。厳冬のための素材です。
上下を複数枚揃えると少々値が張りますが、「寒い」よりはマシです。
過酷なエリアに立ち向かう際には暖かさはお金で買うといわれています。
防寒具2 ミドルレイヤー
ベースレイヤーの上に着るシャツやフリースのことです。
これは、正直保温性があれば何でもいいと思います。私はセーターとその上にフリースを着ていましたが、十分に温かく活躍してくれました。
ただ、やはり「綿」だと万が一濡れた際の速乾性が気になりますので、乾きやすい化学繊維やウールなどの素材で統一しておくことが重要です。
また、暖かさとは関係ないですが、ミドルレイヤーには胸ポケットがある服がおすすめです。
理由としてはそこにスマホをしまっておくためです。ダウンのポケットにスマホを入れておくこともできますが、その場合はスマホが冷えてしまうために電池の消耗が半端ないです。
ミドルレイヤーの胸ポケットにスマホを入れておけば、ご自身の暖かさにてスマホが冷えて電池消耗が激しくなることがありませんので便利です。
ミドルレイヤーの上には、アウターレイヤーを着るわけですがオーロラビレッジツアーでは前述したとおり、カナダグースのダウンを貸してくれていますので、それを着れば大丈夫です。
レイヤリングから考えた装備は以上ですが、以下にこれ以外にも気をつけておきたい装備品をお伝えします。
防寒具3 靴下
靴下も「ウール」製が無難です。
女性で冷え性の方などは、アウトドアブランドが用意している厚手の靴下の中でも厚手のモノを買っておくと安心感が増します。
靴下単体だとそんなに高くも無いですし、一度ウールになれてしまうと日本に帰ってきてもその温かさと履き心地から離れられなくなります。
この機会に購入しても、その後も使える装備品です。
防寒具4 帽子
ダウンにフードがついているので、それをかぶればかなり温かくなりますが、問題点があります。
それは、視界が狭まること。
オーロラ鑑賞がメインなので、これは死活問題になるため、フードをかぶらなくても暖が取れるように帽子を持っていくことをおすすめします。
これはニット帽でも良いですし、更に温かさを求めるなら専用の帽子を購入しても良いと思います。
↑この形状なら耳がかなり温かいはず。
防寒具5 ネックゲーター(ネックウォーマー)
オーロラビレッジのツアーでは、フェイスマスクをプレゼントしてくれます。
これがあれば顔の寒さは防げますので非常にありがたいプレゼントです。
更に寒さをしのぎたいのであれば、追加でネックウォーマーを上からかぶると良いです。
出典:montbell公式HP
プレゼントしてくれるフェイスマスクは、薄手のモノなので一つ余分に寒がりな人はネックウォーマーがあったほうが楽しめると思います。
防寒具6 スマホが使える手袋
貸してくれる防寒装備の中にかなり厚手の手袋があるので、それで寒さに対しての対策は万全なのですが、別にもうひとつスマホ対応の手袋があったほうが安心です。
オーロラの撮影をする際に、スマホで済ませる人も多数いると思います(私もそうです)
その際に、スマホ対応の手袋が無いと-30℃の中で素手で機器を触ることになり、とても寒いですし、そもそも危険です。
着用したままスマホ操作できるというのは、必須の性能となります。
防寒具7 腹巻
地味ですが最高の保温性を保ってくれるのが、この腹巻です。これがあるのとないのでは体感温度が4℃は違うと思います。
何度も何度もで恐縮ですが、この腹巻の素材も「ウール」にてお願いします。基本的に直接肌に触れるものはウールです。
その他あったほうが便利だなと思う装備。
身に着ける装備をご紹介しましたが、それ以外にもあったほうが便利なものをお伝えします。
タンブラーがあると温かい飲み物を飲みながらオーロラ鑑賞が出来る。
オーロラビレッジツアーに参加してみて、事前に知っておけばよかった!と後悔したのは、このタンブラーについて。
基本的にオーロラビレッジ内はレストランと待機場所であるティーピー(テントのような場所)の中以外は飲食禁止です。
しかし、唯一このタンブラーを持ってきている場合に限り、ティーピー内の暖かい飲み物を外に持ち出すことが出来ます。
↑タンブラーは蓋がついた上記画像のようなもの。
コーヒー飲みながらオーロラ見たかった!
飲み口まで金属製だと危ないですので、飲み口はプラスチックのタンブラーを保有しているならば持っていきましょう。
カイロはあったほうが良い。特に靴用の貼るカイロは珠玉の逸品。
携帯カイロはあると便利です。マイナス30℃の空間では少しの暖かさでも非常に助かります。
更に冷え性の方には、靴の中に貼るカイロをおすすめします。
防寒装備の靴はそのままでも暖かいですが、中に入っているフェルトと外皮の間にこれを貼れば完璧です。
低温火傷だけ注意してください。
スマホ用の三脚とシャッタースピードを変更できるスマホアプリ
カメラを持ち込んで撮影するというガチ勢の方には関係ないですが、スマホでオーロラ撮影したい!というライトな層(私もそうです)は、事前準備が二つあります。
一つは簡易的なもので良いのでスマホ用の三脚を持っていくことです。
オーロラを含めた夜間の空の撮影には、シャッタースピードの調整が必要となります。簡単にいうとシャッターをきるスピードを遅くして、光を取り込む量を増やすのですが、その際にカメラを(ということは保持している身体を)動かしてしまうと、写真がぼけてしまいます。
そのため、生身でオーロラを撮影するには座禅する修行僧のようにピタリと体を動かさない技術が必要になりますが、一般人には無理なので三脚を用いることが一般的です。
カメラの三脚 と聞くとなんだかすごい装備を持ち歩くのか?と身構えてしまいますが、簡易的なもので十分です。
↑こういうやつ。
オーロラビレッジ内でも貸してくれるのですが正直高いので、であれば購入しておいても良いかなと思います。
加えて必要なのが、シャッタースピードを変更できるスマホのアプリです。
イエローナイフでもホテルのWi-Fiなどを用いてアプリの準備はできると思いますが、私は何故か苦戦したので、日本でアプリはダウンロードしておけばよかったと後悔しました。
シャッタースピードを変更できるアプリは複数有りますが、私は「星撮りカメラくん」を利用しました。
無料ですし、インターフェイスがわかりやすく、いきなりシャッタースピードの変更画面なので、変更しやすかったです。
シャッタースピードは10秒にて撮影しました。一応撮影できたので良かったです。
せっかくお金と時間をかけてイエローナイフまでオーロラを見に行くわけなので、後悔はしたくありません。防寒とその他準備物をお伝えしましたが、ご紹介した装備があれば困ることは無いと思いますので、是非参考にしてみてください。