古き良き系の焼肉屋で個人的に気に入っているお店が目黒区にあります。
その名も「三男坊」
もう、店の名前の由来から気になってしまうこのお店は、もしかしたら外観から入りにくさを覚えている方もいるかもしれませんが、なぜだかうまいロースが食べられるお店だと思っているので、是非利用してみてください。
完全に昭和の時代の焼肉屋。タイムスリップしたかと間違えるレトロな店内は雰囲気から最高のお店
この「三男坊」ですが、外観の印象そのままに店内も昭和を感じさせるレトロな作りで、一瞬タイムスリップしたのか!と思ってしまうほどです。
それほどまでに、昔地元に1軒はあったであろう焼肉屋のテイストそのままに現在でも営業をされているのです。
焼肉を焼く機器はガスロースター。このガスロースターも年季が入っていてとても良いです。
炭火で焼肉が食べたい!とは焼肉チェーン店がつくったスローガンですが、多くの名店と呼ばれる焼肉屋はガスロースターであることがほとんどです。
これは、炭火だと火力が安定しないと、肉から脂が落ちた場合に煙が発生して肉に異なる味がついてしまうからです。ホルモンなどは、それをまた風味として楽しんだりもしますが、それ以外の肉では味の邪魔になることがほとんどです。
ガスロースターのお店は期待ができる。と勝手に思っています。
ガスロースターを利用する際の注意点は、火が出ているところで焼くのではなく、熱せられている、鉄の部分で焼くという事です。
ガスは燃焼する際に水分が出ますので、直接火にかけてしまうと水分がついてしまう原因にもなりますし、火力調整の難易度も上がります。
三男坊でいえば中央部分の鉄が格子上になっている部分で焼くのが良いと思います。
昔ながらの焼肉屋について回る問題が、排気能力不足による服への臭い付着です。
三男坊でも確実に服に臭いが付きますので、気になる人はにおいがついても良い服で楽しむようにしましょう。
コートや上着などはお店の人に依頼すると、専用のビニール袋をくれますので、それに入れて完全シャットアウトでにおいの付着を防げると思います。
↑こいつの能力がもっとあれば。。と思うのは野暮。焼肉屋ってこういうものでしたよね。
三男坊の値段はすごく安い。すべて税込み表示なのもうれしい配慮。営業時間は少し注意が必要です。
店内にあるメニュー表は全1Pです。これがすべてのメニューです。
昨今の、希少部位なんたらかんたら、サイドメニューも充実しています。という焼肉屋と比べると、貧弱に感じてしまうかもしれませんが、この潔さが焼肉屋です。
焼肉類の値段を見てみると、精肉は一皿1,000円ほどからの価格構成です。
ホルモン類はアンダー1,000円で楽しむことができます。「上」とランクが分かれているのはカルビのみです。
しかし、どの品物を頼んでも値段以上の価値は提供してくれると思います。焼肉屋らしい焼肉を楽しめます。
ドリンクは少し貧弱。特にアルコールは、瓶ビールとマッコリがメインの商品
肉は、少品目でも良いのですがアルコールは少し物足りなく感じる人がいるかもしれません。
このメニュー以外に、店内に掲示されているマッコリがお酒としては用意が有ります。
ソフトドリンクもジュース、コーラ。だけが用意されているので、ドリンクの充実は願う内容です。
全てのメニューが美味しかった三男坊。焼肉のもみタレは甘めの味付け。
三男坊でのおすすめメニューは?と聞かれたら、すべてのお肉が美味しかったですが、特にといわれると個人的には、ロースとハラミをおすすめします。
この二つは、この値段で提供してくれているのが信じられないほど美味しかったです。
ハラミ 1,150円
ロース 1,150円
三男坊の味付けの特徴は肉に下味をつけているもみダレが甘い点。これも昔の焼肉屋に多くあった下味のつけ方だと思います。
砂糖がたくさん使われていると思いますので、焼く際には焦げないように注意が必要です。
ハラミはサガリの部分ではなく、カクマクの部分だと思います。脂が程よく乗っていて、非常に美味しかったです。
ロースは、お店の人の説明だと「ヒレ」だということです。
焼肉ってすごく不思議な食べ物で、カルビやロースという名称は実はどの部分につけても良かったりします。
脂が多いからカルビ、脂が少ないからロース。と本当は各部位決まっているはずの名称を無視してお店で提供していることが一般的でした。
一度それが問題になり、脂が少ないモモのぶぶんをロースとして出してはだめだ!という事になったのですが、ロースといった名前で、提供され続けています。
焼肉といえば、「カルビ」や「ロース」がもっとも好まれるが、それらの名称は肉の部位ではなく「メニュー名」。定義はかなり曖昧だ。
ロースは本来、肩から腰にかけての「肩ロース」「リブロース」などを指すが、日本では「ロース=赤身」という考えのもと、値段の安い「もも肉」もロースと表記される慣習がある。
2010年には消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして業界団体に改善を要請した。
それを受けて全国焼肉協会が行なったアンケートの結果によると「もも肉」を「赤身ロース」「ヘルシーロース」、「ランプ(腰から尻にかけての肉)」を「赤身ロース」と表示している焼肉店があった。
「表記問題は業界団体が『ロースの表記はそのままで、メニューに〈この肉はもも肉を使用〉と付記すればいい』と周知することで決着しました。ただ、大手チェーン店ではそうした表記があるが、個人経営の店ではこれまで通りロースとしか書いていない場合があります」(食品問題に詳しいジャーナリスト・郡司和夫氏)
カルビも韓国語で「あばら」の意味だから本来は「ばら肉(かたばら、ともばら)」のはずだが、これも前述のアンケートで「肩ロース」を「和牛上カルビ」「特選和牛カルビ」といったメニュー名にしていると回答した店があった。
要は「脂身の多い肉」という程度の使用法なのだ。
多くのロース嫌いの人が食べているロースは、このロースと偽ったモモの部分を食べていることが多いです。
何が言いたいかというと、三男坊のロースはそういう次元に無いという事です。焼いても柔らかい部位が提供されますので、ロース嫌いな人でも美味しく食べることが出来ると思います。
ハラミとロースは確実に食べておきたいメニューになります。
それ以外のメニューも美味しい焼肉屋。無骨なところがまた良い。
もちろん、三男坊ではそれ以外のメニューも美味しいですので安心してください。
センマイ刺しはレモンを絞って。
タレとなる酢味噌がまた独特で、他のお店より酸味が強くおいしいです。
キムチは、ニンニクではなく生姜が強いタイプ
旨味は少し今一つでしたが、気に入ったのはニンニクではなく生姜が強い点。
タンもデロっとした状態で提供。ガンガンに冷凍されているタンとは一線を画します。
もっと美味しく食べさせようとすれば、タン周辺の赤い部分をカットして中心部だけで提供している店も多くありますが、そんなことはどうでもよいのです。並のタンでこの品質という時点で当たりなのです。
少し肉厚にカットされたタンも非常に美味しかったです。
カルビ
年なのか焼肉の脂がきつくなってきているので、カルビは上ではなく一般的なカルビを頼みましたが、このカルビは当たりでした。
画像を見ると非常に脂がきつく見えますが、嫌な感じが口の中に残ることなく美味しく食べることが出来ました。
カルビは牛肉の良しあしが出やすい場所で、ストレスある環境下で育った牛の脂は口の中に残ります。このカルビはそんなことは無く食べ進めることが出来ました。
久しぶりに美味しいカルビに出会いました。並でこれなので上だとどうなるか少し怖いところです。
この他にもスープなど頼んで、二人でお腹いっぱい食べてお酒も軽く飲んで10,000円以下の支払いでした涙。安い。難点は、クレジットカードが使えず現金払いだという点ですが、安いので大丈夫だと思います。
予約で貸し切りになったりもするので、利用する場合には少しだけ注意が必要です。