中・長期の出張の最大の難点は「靴」の替えをどうするか?という問題が付きまとうことです。
本来であれば、革靴は一日履いたら次の日はその靴を休ませて、靴内にこもった湿気を除去しなければなりませんが、同じ靴を履いているとそういう訳にはいきません。
同じ靴を履き続けている場合、複合要素が絡まって非常に靴が蒸れてしまい不快ではあるし、においは気になるしという事があります。
蒸れ蒸れな状態だとどうしても靴を脱ぎたくなりますが、、、もしかしたら他人に多大な迷惑をかけてしまっている可能性もあります。
蒸れた靴→開放感を味わうために靴を脱ぐ→靴下のまま椅子などに足を置くという行為は、私たちが思っている以上に女性からの評判は最悪です。。。
快適な出張を手に入れるために、そもそも蒸れない方法と、足のにおいを予防及びしょきょする方法をお伝えします。
- 蒸れ蒸れの状態にならないためには、とにかく湿気のコントロールが大事。湿気がこもらないよう準備編をお伝えします。
- 靴本体の素材と共に製法も重要。革を縫っていない革靴は蒸れる可能性が高いです。
- 革靴を乾燥させることも重要。ホテルでできる革靴の湿気除去を駆使して快適な環境を作っておくことが重要。
- それでも靴を脱ぎたくなった場合には。。。最低限臭いに対してのケアをしましょう。
- 臭くないならいいじゃないか!絶対に靴が脱ぎたいんだ!という方は、人が触れる場所にはできるだけ露出しないようにしましょう。
蒸れ蒸れの状態にならないためには、とにかく湿気のコントロールが大事。湿気がこもらないよう準備編をお伝えします。
革靴の中は湿気で充満しています。エステー株式会社さんの調査だと、実に80%以上の時間において、靴の中の湿気は90%を超える数値を示しています。
足の中は勝手に熱帯雨林並みの湿気になってしまっているのです。
これでは、足が蒸れて蒸れて本当に不快だ!というのも仕方ありません。
まずは、革靴の中が蒸れない、蒸れにくい状況を作ることが大事です。
革靴が蒸れないための準備をお伝えします。
靴底は革製になっていますか?靴のソールでこれだけ靴内の湿気は抑えられます。
ビジネスシューズとして図れる革靴の底(ソール)には複数種類の素材が候補として挙がります。
- 革底
- 合成底(ゴム・樹脂等)
- ウレタン底
この底(ソール)の素材によって、革靴内の湿気の上昇具合は大きく変わってしまい、当たり前ですが、多くの湿気を吸収及び・透湿してくれる素材のほうが、革靴内の湿気は上昇しませんので、靴の中が蒸れてしまうことを防ぐことができます。
もう、名前見ただけで革底以外の底(ソール)は湿気を逃がさないことがわかります。
合成底はゴム・樹脂ということで他の特性は優れていても、湿気に対しての透湿度は絶望的です。
ウレタン底もポリウレタン樹脂を利用していることから、高い透湿度は期待できません。
日本皮革技術協会の研究データによると、革の一般的な機械的性質として、
透湿度は 9.4mg/cm2/hr
吸湿度は 29.0mg/cm3
出典:日本皮革技術協会
といった、数値が期待できるようです。
他の素材が絶望的な数値の中で、この数値はより湿気を逃がしやすい素材といえると思います。まず、足が蒸れて困るという人は革靴のソールが革底の靴を購入するようにしましょう。
デメリットとしては、他の素材のソールに比べて摩耗性が劣る点ですが。蒸れてしまって困っているのですから、仕方ないと思います。
靴本体の素材と共に製法も重要。革を縫っていない革靴は蒸れる可能性が高いです。
革靴の蒸れやすさは、底(ソール)の素材も非常に重要なのですが、大きく考えるとそもそもの革靴の素材及び、最近ではつくり方自体に問題がある場合があります。
素材は、やはり天然皮革のほうが他の素材に対して、吸湿度などで優れており、反対に防水をうたってあるような合成素材などだと、吸湿度が皆無であることがあります。
これでは革靴内が蒸れてしまうのは当然です。まずは靴の素材を見直すのも重要です。
また、最近では皮を縫い合わせて革靴を作り上げるといった、伝統的な作り方ではなく、接着剤などを多用して革靴の形に作り上げていくといった方法もあります。
縫い目は小さな隙間をもちますので、以前の製法で作られた革靴は自然と外気との流出入がありましたが、接着剤で固めた靴にはそれがありません。
出来たら、革をしっかりと縫い合わせている靴を購入するのが一番良いのですが、革靴はこだわると値段がどんどん上がっていってしまいますので、後述する靴下などと含めて、バランスを取りながら足の蒸れの最適解を探したいところです。
革靴のサイズはあっていますか?大きめの靴を購入すると足が汗をかく可能性が高く、結果蒸れます。
足が蒸れて困っている人の多くの人が考え違いをしているのが、靴のサイズ問題です。
足が蒸れるということで、少しでも隙間があったほうが靴内に空気が侵入し通気が取れるのではないか?と考え、購入時に少し大きめの靴を買ったり、靴紐を緩くしてゆったりと靴を履いたりしているケースが見受けられます。
しかし、これが実は靴内の湿気を高めてしまう原因となっている場合があります。
2018年3月11日にTBS系列にて放映された「林先生が驚く初耳学」の中で、大きめの靴を履いていると足が臭くなるという話が出てきました。
女性を対象にしたアンケートでしたが、約70%もの人がむくみを気にして、また店員の勧めもあり、少し大きめの(指1本分)のサイズの靴を履いているようです。
しかし、この大きめのサイズ(緩くした状態の靴)を履いていることが指の外側に余計な力をこめる結果となり、靴内での汗をかく原因となっているとのことです。
革靴も同様のことが言えますので、サイズはジャストサイズ。靴紐もしっかりと結んで足の指からの汗を抑制しましょう。
靴下は化繊の靴下ではないですか?毛(ウール)の靴下を用意しましょう。
多くのビジネスマンが履いている靴下はナイロンやポリエステルの化学繊維=化繊の靴下が多いと思います。
あまり素材を気にしたことない人であれば、コンビニや衣料品店で販売されている靴下のほとんどは化繊の靴下ですので、十中八九該当していると思われます。
この化繊の靴下は、安価に購入できるのがメリットですが、靴内のにおい・湿気という点から考えるとデメリットのほうが大きくなります。
ウールの特性
羊毛は、繊維が縮れているため、フェルト化して縮みやすい性質を持ちます。弾力性伸縮性、保温性、吸湿性に優れるとともに、弾性回復量が大きいのでしわになりにくい素材です。また、難燃性でもあり、繊維の大きさによっては肌触りが良い繊維でもあります。
ポリエステル繊維の特性
丈夫で取り扱いが簡単なポリエステル繊維の衣料ですが、その繊維には実はほとんど吸水性がありません。すぐ乾く、いわゆる速乾性能をもつのはこれが理由です。またしわにもなりにくいです。
出典:砥石と研削・研磨の総合情報サイトより 加工材料の性質と特徴 > 繊維の種類と特徴
ポリエステルに代表される化繊の靴下には、ほとんど吸水性がないため足でかいた汗がそのまま革靴内に逃げるしか道はありません。
革靴に十分な透湿性や吸湿性があればよいのですが、前述したとおり底(ソール)素材が、水分の逃げ場がないものであったり、革靴の製法自体が水分を通しにくいものだと、必然的に革靴内で逃げ場を失ってしまい、革靴内が蒸れて不快感が高まる結果となります。
そのような状態を防ぐには、天然素材、特にウールを用いた靴下を履くことにより多くの問題を解決できます。
ウールは吸湿性に優れた素材ですので、靴下自体が水分を吸ってくれて靴内が蒸れることを抑えることができます。
ウールと聞いてしまうと、なんだか冬のイメージがあるので靴の中が暑くなってしまうのでは?と思いますが、結果は真逆となります。
登山などでウール製品に触れている人であれば、夏のウールが蒸れないことは体感的に理解できるのですが、なじみがないと「むむむ!」と躊躇してしまうと思います。
だまされたと思って、一度ウール製の靴下をビジネスユーズで履いてみて欲しいです。
素材の特性を生かして、5日間履いても臭わない靴下。というものが販売されているほどの効果がありますので、長年悩まされていた革靴の中の蒸れから解放されかもしれませんよ。
本革で縫ってあり、そしてソールも革の革靴は高価なケースが多いですが、靴下であればすぐに対応できる値段です。まずは靴下からウールにしてみるのもありだと思います。
革靴を乾燥させることも重要。ホテルでできる革靴の湿気除去を駆使して快適な環境を作っておくことが重要。
どんなに通気性の良い素材で作られた革靴でも、毎日履き続けていると靴の中に湿気がこもってしまいます。
私たちが思っている以上に足は汗をかいており、革靴は湿気がこもってしまっています。
出張などで履き替えることができない場合には、応急処置的な対応になりますが、日々革靴の湿気をできるだけ飛ばすようにケアしてあげましょう。
ホテルの客室などで簡単にできるケアは、革靴に丸めた新聞紙などの紙繊維のモノを詰めてあげるという方法があります。
こうすることにより、革靴内の湿気を新聞紙などに吸わせ、自然乾燥するよりも素早く靴の中の環境を整えることができます。
それでも靴を脱ぎたくなった場合には。。。最低限臭いに対してのケアをしましょう。
ここまで挙げた靴内をそもそも蒸らさない方法を駆使すれば、そもそも足が蒸れるという事態になることは大きく減少すると思います。
しかし、それでもどうしても足が蒸れてしまって靴を脱ぎたいんだ!という人がいる場合に、最低限人に迷惑をかけないように臭いのケアはしておきたいですよね。
革靴が臭くならないテクニックも併せてご紹介いたします。
靴が臭い場合は、靴に問題があるのかもしれません。革靴の中にたまっている埃を除去しましょう。
靴のケアを頻繁にする人ならばわかるのですが、実は革靴内には靴下がすれて出た埃などや、自然に入ったゴミなどが大量に溜まっていることが有ります。
大きめのサイズを履いている人などは気づかないうちに、靴の先端部分に埃が溜まっていることがあり、この埃たちがにおいの原因となっているケースがあります。
一度、革靴をメンテナンスする際には、革靴の外側のケアだけでなく、内側のケアとして埃の除去をしてみてください。
大量の埃が取れでぞっとすることがありますよ。
足が臭い場合がある。足の洗浄をしっかりと行い基本的なケアをしましょう。
革靴をどんなに手入れしても靴を脱いだ時に臭いが出てくるのを抑制できない場合があります。
その時は残念ながら、足が臭いという恐ろしい現実が本当のことになってしまっているのだと思います。
足のにおいの原因は、実は単純です。
多くは足の洗浄不足が大きな原因のことが多いです。
出典:ミヨシ石鹸株式会社は「足の悩み実情」に関する調査
ミヨシ石鹸株式会社の調査によると、足をよく洗う季節はという設問に対して、一年中と答えた人がわずか31%の調査結果になっています。
いや、一年中洗いましょうよ。。。特に出張が多いビジネスマンはシャワーだけで済ませてしまうことも多いことから、意識して足を洗わないと足の洗浄不足が懸念されます。
「え?毎日洗っているけど?」という人も要注意です。単純な洗い方だけでは汚れが落ちていない可能性があります。
指の間、爪の部分などは洗い残しの多い部分です。そしてこの部分がにおいの元となる汚れがたまる部分です。
いつもの倍の時間をかけて念入りに一週間洗ってみてください。驚くほどに臭いが無くなることがあります。
また、表面だけの問題ではなく、溜まっている足の皮の角質がにおいの原因の可能性もあります。女性は足の裏の角質ケアを行うことは一般的となっていますが、男性はまったく気にしていないことが多いです。
角質除去なんて人生で一度もやったことないんだけど?という男性は多いのではないでしょうか。
臭いを除去するためで、一度実施してみてください。そもそも気持ちいいものですから。
それでも足が臭い場合は、ミョウバン等による臭いの抑制が重要。
足をしっかりと洗っても、においが取れない場合は足に住んでいる菌の仕業かもしれません。
洗って落ちない菌であれば、薬品で除去するしかありません。
市販の足のにおい対策グッズの多くにはミョウバンが使われていることが多いです。
市販品を購入してもよいですし、ミョウバン水を作って足と靴にシュッと一吹き。これでも臭いは激減しますので試してみてください。
洗って、角質をとっても臭いが減少しない場合は水虫を疑いましょう。
革靴を新規購入して、靴下も考慮して、そしてどんなにケアしても足のにおいが取れない場合は、水虫になっている可能性が高いです。
出張が多いビジネスマンは水虫にかかるリスクが自宅で過ごす人よりも大きいです。
水虫であるならば早めに直してしまいましょう。
臭くないならいいじゃないか!絶対に靴が脱ぎたいんだ!という方は、人が触れる場所にはできるだけ露出しないようにしましょう。
革靴内の環境を整え、そして足のにおい対策も万全。という状態でもどうしても靴を脱ぎたい状況があると思います。
飛行機の長距離路線などに乗るとシートによっては靴を脱ぐことを前提にスリッパなどの用意もありますので、リラックス状態を作るためには靴を脱ぐという行為は非常に優れた行為なのだと思います。
しかし、ビジネスマンとして活躍している皆さんであれば、いつ何時、誰にみられているかは分かりません。全然仕事と関係ない部分で嫌悪感を持たれたりしたら、本当にもったいないです。
靴を脱いだ後の足の場所には最新の注意を使いたいですね。
やはり、人が触れる場所や人が座ったりする場所には、できるだけ露出しないほうがスマートだと思います。
自宅であれば、まったく問題ないですが、移動中の新幹線や飛行機の中などはある意味パブリックな場所ですから、最低限のマナーは守りたいものですね。
飛行機の中の画像ですが、この後、足が置かれた壁を触る人が不憫でなりません。
まずは、自分でできる蒸れない対策、そしてにおい対策、最後にマナーの部分を意識して自分も他人も快適な出張ライフを楽しみたいものです。
足の蒸れでお困りの方は本当に靴下だけでも変えてみてください。ウールの靴下をはくと本当に臭わないし、蒸れにくいし良いことしかないんですよ。
革靴の中が蒸れないと何が良いかというと自分が気持ち良いです。これに尽きます。まずは、蒸れない環境づくりと日々のケアを実施することに良り、快適な足環境を手に入れてしまいましょう。そして知らない間に人に白い目で見られることが無いように気を付けましょう。