美味しんぼ
多くの人が一度ぐらいは読んだり、アニメを見たり、ネットミームとして遊ばれている素材で見たりと、目に触れたことはあると思います。
ネタとして扱われることが多いこの漫画ですが、私、大好きなんです。
だから美味しんぼが誤解されている状況、許せないんです。
美味しんぼは第一巻の表紙から伝説の店といわれるレストランを使うなど、既に気合バキバキの漫画。
この魅力を…伝えたい!!
出典:美味しんぼ
美味しんぼの一巻、表紙の料理はあの「まっくろう」です
美味しんぼ一巻表紙には、それはそれは美味しそうな料理と、やばめな男性二人が登場しているのですが、多くの方がこの男性たち山岡史郎と海原雄山に目を奪われて、背景と化している料理に注目することがありません。
でも、この料理を作ったお店って知る人ぞ知る伝説的なレストラン「まっくろう」が調理していたって知っていましたか?
出典:美味しんぼ 一巻
まっくろうは六本木にあった飲食店
あまりに美味しんぼのファンすぎて、出てきている店を全て調べている中でこの表紙のお店「まっくろう」も発見しました。
最初は、表紙裏になんどか登場する「まっくろう」は人の名前だと勘違いし、美味しんぼ直属の料理人でもいたのかな?ぐらいに思っていたのですが、
調べる中でびっくり。
多くの方々が「伝説のレストラン」と表現するお店だったのです。
残念ながらすでに閉店しており、利用したことない私はお店の雰囲気を感じたり、きっと作者が究極のメニューの参考にしたであろうまっくろうの料理を食べることは永遠にできないのですが、
食べ歩きで有名なマッキー牧元さんのブログに詳しい記述があったので引用させてもらいます。
昭和50年から週刊朝日で連載されたページをまとめた、「私が好きなこの店一品」という本がある。
政財界の人々や、芸術家、俳優たちが自分のお気に入りの店を紹介した本だが、その中で草月会の勅使河原霞氏が、上記の書き出しで紹介していたのが、六本木「まっくろぅ」だった。
大学四年だった僕は、高級な生肉やうにのパイ焼きの写真を見ながらため息をついた。
その10年後、ようやく某芸能事務所の社長に連れて行かれたのである。レストランというより、静かな会員制サロンと行った趣で、著名な指揮者が友人と食事しており、格別な、上品な気配が漂っていた。
30そこそこの若造にはまだ早いと、空気は語っていた。
大人の店だった。小川軒の流れを汲む料理。物腰の柔らかい品をまとったマダム(2000年に亡くなられた)。マダムがヨーロッパで買い付けられた高価な陶器。本物の絵画。
大人たちが夜な夜な集い、最高の料理に舌鼓を打っていた光景が勝手に脳内に再生されます。
当時はインターネットなど無く、情報は紙媒体かクチコミが主でしたでしょう。本当においしいお店は仲間内でのみ共有され、なかなか一般の人には到達しなかったはずですが、それでも美味しいお店はなぜか広まっていくという素晴らしい時代。
一巻から気合がゴリゴリ入っていたことがわかる表紙です
美味しんぼは1983年に連載をスタートしています。
最終的に111巻まで巻数を伸ばすわけですが、連載当時はこんなに人気漫画になるなんてわからなかったと思います。
また、漫画としての人気がでてお金に余裕が出てから高級店を食べ歩くのであれば、まだ話はわかるのですが、このまっくろうが出てくるのは、一巻の表紙。
つまり、連載をスタートした瞬間から、原作者はある一定レベル以上の食についての知識及び環境が整っていたことを意味します。
これって驚異的ですよね?
現代のように漫画という文化が確立され、知識も深堀されていく中であれば、こういったレベルでの知識を持つ原作者が原作を書くことは想定できますが、
昭和の時代の漫画って勢い重視、時代考察もほぼなかったり、むしろ嘘書いても成り立っていた時代なのに、最初の最初からこの気合の入りようは、、、
やっぱり美味しんぼってすごい!!
皆さんも恥ずかしがらずに美味しんぼ読みましょう!