長野県佐久市。軽井沢で新幹線を降りる人は多くいるが、佐久平駅までくると一気に乗降客がへり、そして新幹線開業に合わせた佐久平駅周辺には飲食店も少なく、出張で佐久平を訪れた際には、とにかくご飯に困ってしまうエリアであることは間違いないです。
この佐久市にて町興しを狙ったご当地ラーメンとして誕生したのが、
安養寺ら~めん(あんようじら~めん)※ポイントは「~」になっている点。
お店ごとに異なる味わいの安養寺ら~めんは、佐久への出張が多い方であれば、食べ歩きが楽しめる名物と言えます。
安養寺ら~めんは安養寺みそ80%以上を用いたラーメンのこと
佐久で食べることのできる安養寺ら~めんとはどのようなラーメンなのかは、公式サイトを見れば一発でわかります。
佐久市にある臨済宗「安養寺」は鎌倉時代の僧・覚心の遺志で開かれたお寺。覚心は、中国に渡って味噌造りの技術を学び、日本に戻り各地に広めました。覚心ゆかりの安養寺は信州味噌発祥の地と言われています。
その安養寺みそを味噌ラーメンの味噌ダレに80%以上使用したものが「安養寺ら~めん」です。麺やトッピングについては、安養寺ら~めん会加盟店がそれぞれに工夫を凝らして、美味しいラーメンを皆様にご提供しています。
信州みそ発祥の地ともいわれている安養寺、その安養寺味噌を80%以上つかった味噌だれであれば、安養寺ら~めん。という訳です。
ということで、この安養寺ら~めん。お店ごとに味噌だれの味わいが異なることから、それぞれオリジナリティあふれるラーメンが提供されていて、
一言で安養寺ら~めん。といっても味わいが異なる、食べ歩きに向いているラーメンといえます。
↑一言で安養寺ら~めんといっても、各お店で全く異なるラーメンを食べることが出来る。
安養寺味噌を知っていると更に楽しめるかも。
もちろん、そのまま食べても美味しいのですが味噌だれ80%以上に使用が義務付けられている、安養寺味噌について知っていると更にたのしく食べることが出来るはずです。
安養寺味噌を調べてみると、なんと鎌倉時代までさかのぼる歴史がある味噌だという事がわかりました。
信州味噌の原点の安養寺味噌。鎌倉時代、覚心上人が信濃国佐久郡下平尾村の「安養寺」へ味噌造りを伝えました。その安養寺周辺で造られた味噌が信州味噌の原点と言われています。当店の安養寺味噌は、信州味噌発祥の地、現在の地籍、長野県佐久市安原に現存する安養寺の「ほ場」でとれた大豆を使用し丹精込めて熟成させた味噌です。
出典:合資会社和泉商店
鎌倉時代に、覚心上人というかたが安養寺に味噌造りを伝えたとありますが、この覚心上人は醤油づくりの歴史をみても名前が出てくる方です。
醤油誕生の伝説的逸話として最も有名なのは虚無僧の開祖として知られる覚心上人にまつ わる話です。上人が自分が住職としてつとめる和歌山県の西方寺(現在の興国寺)の近くの 湯浅、由良、高家、有田一帯の山村漁村の人々に、中国の径山寺で学んだおいしい醤の作 り方を教えてまわりました。これは大豆に小麦と塩を加え、季節野菜を漬け込んで米麹で発 酵させた保存食です。俗に「径山寺味噌」と呼ばれるものです。この味噌を長い間使っている と出てくる上澄みの汁が「溜まり」で今の醤油の元祖であると言われています。
出典:河野酢味噌製造工場
そして気になるのは、虚無僧の開祖!?という文章。醤油・味噌だけには飽き足らず、虚無僧迄!と思うとすごい人ですね、覚心上人というかたは。
虚無僧(こむそう,こもそう)ですが本来はちゃんとした禅宗の一派です。鎌倉中期の僧・覚心(*1)が南宋に渡り尺八禅の印可を受けて帰国、紀伊国の興国寺に「普化庵」を結んで尺八を吹いて無の境地を体験する禅を始めたのが最初です。
出典:占いフォーラム
安養寺ら~めんを食べるときには、味噌の歴史と醤油の歴史と、そして虚無僧について思いを馳せながら食べると、さらに美味しくなるかもしれません。
味わいは濃厚だった!他の店も食べすすめて全店制覇してみたい。
私自身はまだ安養寺ら~めんを3店舗でしか食べたことがないので、安養寺ら~めんの全貌を知るわけではありません。
各店共通しているのは、安養寺味噌を用いたスープはかなり濃いめの味付けになるという点で、これは味が濃いモノが好きな私には非常にマッチしています。
一瞬独特な風味も感じますが、それが食べ進めるうちに癖になるので、食べ終わるころには「うまい」です。
まだまだ全店制覇できていないのですが、佐久市内では安養寺ら~めんを提供してくれる店が20店舗ほどあるようなので、日々の出張のタイミングで食べ進めていきたいと思います。