熾烈を極める、流しそうめん元祖の称号についに決着をつけてきました。
宮崎県高千穂町にある、千穂の家
岐阜県白鳥町にある、阿弥陀ヶ滝荘
この二つの店は、互いに「元祖流しそうめん」の称号を掲げており、一体どっちが元祖なのか私を含めた素人には全く分からない状態。
元祖・発祥の店を食べ歩く身としては、確実にどちらの店が古いのかを調べておきたいと思っていました。
高千穂町:千穂の家に流しそうめんを食べに行ったタイミングに合わせて、実際どちらの店が古いのか調べてみると、一つの結論に行きつきました。
流しそうめんを商業化した最初の店は、高千穂町の千穂の家となります。
結論
- 高千穂町千穂の家は創業昭和30年、岐阜県白鳥町阿弥陀ヶ滝荘は創業昭和37年。つまり千穂の家が古くから流しそうめんを提供している。
- ストロングスタイルすぎる流しそうめんは、食べるものを選ぶかも。
そうめん業界は「元祖」の称号争いが活発。一応、流しそうめんの元祖は宮崎県高千穂町の千穂の家に決定。
流しそうめんの元祖を調べる中で、二大有力候補として上がって来たのが、
宮崎県高千穂町にある、千穂の家
岐阜県白鳥町にある、阿弥陀ヶ滝荘
上記の二つについては、多くの方が口コミやブログを書いているのですが、どちらも流しそうめん「元祖」として紹介していました。
まあ、別に元祖が二つあっても良いとは思うのですが、個人的には気になってしまうほうなので、一体どちらが本当の元祖なのかを判別するために調査してみる事としました。
千穂の家の創業年は、店の前に掲げてある看板に書かれているため、簡単に知ることが出来たのですが、難敵だったのが岐阜県白鳥町にある、阿弥陀ヶ滝荘。
こちらの創業年は、店の公式HPは無いので確認できませんし、キュレーションサイト的なWEBページを見ても全く言及されていませんし、八方塞がりか、、、とあきらめかけましたが、細かく他の方のブログなどを拝見していると、私と同じように創業年にこだわりを持つ方のブログがみつかり、創業年が判明しました。
結果、二つの店の創業年は
- 千穂の家 昭和30年 ⇒ 古い!
- 阿弥陀ヶ滝荘 昭和37年 ⇒ おしい!
となっていましたので、店として初めてメニュー化したのは、高千穂にある千穂の家が古そうです。
↑高千穂町の千穂の家 創業昭和30年と看板に書いてある。
出典:東海ひよこ倶楽部活動日記
↑他の方のブログを拝見すると、岐阜県白鳥町の阿弥陀ヶ滝荘は昭和37年。
もやもやしていたことがすっきりすると気持ち良いですね。
阿弥陀ヶ滝荘の方も初代の方が試行錯誤を重ね流しそうめんを完成させていったなかで、高千穂に既に流しそうめんの店があるという事は知らなかったと思います。元祖をいつわっているとかそういう事ではなく、間違いなくメニュー化した瞬間には、完全オリジナルで開発されたのだと思いますが、全国で比較すると、他にもあった。というだけだと思います。
後述しますが、千穂の家の流しそうめんは、かなりのストロングスタイルで、画像で見る限りは阿弥陀ヶ滝荘のほうがうまそうですし。
そうめん流しの元祖争いも熾烈だった。そうめん業界は元祖好きが多い。
余談ですが、流しそうめんではなく、「そうめん流し」について調べた際にも、元祖争いが熾烈でした。
そうめん流しでは兵庫県と鹿児島県が争っていましたが、
兵庫県宍粟市「みやなか」:昭和46年
鹿児島県指宿市「唐船峡」:昭和45年※そうめん流し器意匠登録
鹿児島県の指宿市唐船峡のほうが意匠登録の年数でも古く、鹿児島県が元祖の称号を獲得しています。
つまり、九州の南部は
宮崎県 : 流しそうめん元祖
鹿児島県: そうめん流し元祖
と、そうめんを水で流す系の食べ物は二冠達成です。
そうめんの産地は他の都道府県が有名なことが多いので、不思議な感覚です。
おばちゃんと如何に息を合わすかが重要。千穂の家の流しそうめん。
実際に元祖の店と判定したので、高千穂町千穂の家に流しそうめんを食べに行ってきました。
この店の流しそうめんのシステム。む、むずかしい。そうめんを流してくれるおばちゃんとの相性が非常に重要な食べ方でした。
まず、そうめんのつゆが配膳されますので、しっかりとスタンバイしておいてください。
そうめんつゆが客の手元に配られたとみるやいなや、
おばちゃんが「ながしまーーす」と言ってきます。
上の画像の上部、赤い枠で囲った場所から私を見ていたおばちゃんは、そうめんを流してきます。
そうめんが出てくるのは、下の箇所です。
それをすくって食べます。
どうです、普段通りの流しそうめんですよね?難しいのはここからです、
流す際の合図は、始まりと終わりだけです。つまり途中で流すそうめんは、おばちゃんの流したいタイミングのみがトリガーとなっており、こちらに決定権はありません。
私、コーラも頼んでいたのですが、途中気を抜いてコーラ飲んでいたらそうめんが目の前を流れていきました。
ドリンク飲みたい人は、我慢するスタイルのようです。
そして終盤ありえないことが、2そうめん連続で投入してきました。
流れてきたそうめんをすくっている⇒終わりですの合図⇒そうめんが流れてくる。
この二つのそうめんの間隔、体感1秒も無かったですね。
もちろん全部はすくいきれなかったです。
千穂の家の流しそうめんを食べる際には、集中してのぞまないといけないことがわかったのですが、食事ぐらいリラックスして食べたいので、この提供スタイルどうにかならないかな?と感じました。
取り切れなかったそうめんは最後ざるで出してくれるが食べる気にはならない。
そして最後に、取り切れなかったそうめんたちをザルで戻してくれました。
千穂の家のシステムをふりかってみると、竹自体は長くあり最後にザルでそうめんを回収しています。
つまり、このザルを持ってきてくれているわけですが、私のそうめんか不安ですし、なんだかネギ入っているし、かなりのストロングスタイルだなぁと逆に感心してしまいます。食べられなかった。
竹じたいはかなり長いので、他のお客も流しそうめんを頼んでいる場合はどのような処理をしているかは不明です。
流しそうめんは知り合いと食べるのが一番良いですね。もしくはそうめん流しのほうが外食としては成立していますね。
肝心の味は、、、、実際に食べて楽しんでみてください!
流しそうめんの「元祖」で食べた流しそうめんは、かなり強烈な思い出となりました。楽しかったです。