三重県は松阪牛に代表されるように、牛肉の名産地の一つであります。
伊賀牛は年間出荷頭数1,600頭と数少ない出荷量しかないため、結構食べるのには苦労する牛肉だと思います。
その伊賀牛をランチで7,000円越えての値段で提供しているのは、元祖伊賀肉金谷です。伊賀への出張ついでに伊賀肉を絶対堪能したい!という事であれば外せない選択肢となります。
元祖伊賀肉金谷は分かりにくい立地のため、ナビ必須。
慣れていれば問題ないのでしょうが、元祖伊賀肉金谷は結構細い道に接しているため、初見で行くにはもちろんナビを設定していくのが良いと思います。
スマホのナビでも車であればカーナビでも良いですが、とにかく若干のわかりづらさがあるため、時間に余裕がない人は気を付けてください。
一階が肉屋のため、店舗前までいけば高まる期待と共に迷いは消えます。
元祖伊賀肉金谷さんは、一階は肉を打っています。古い店舗にきれいなショーケース、その中には輝く牛肉さん達を見つけることが出来れば、ここまで若干迷って不安になっていた気持ちは消え去り、反対にこの後の牛肉への高まる期待が先行してきます。
機会があれば肉も買いたいですが、悲しいかな出張族は生ものが買えません。この後の食事で伊賀牛を堪能することにて、この悲しい気持ちを昇華させるしか有りません。
伊賀牛は年間1,600頭しか出荷されないブランド牛。
日本各地にはブランド牛は本当に石を投げたら当たるほどにたくさんありますが、基本的にはレア度(おいしさではない)は年間出荷頭数に比例すると思っています。
やはり、例えば葉山牛などは、年間250頭しか出荷されませんので、1個体から取れる生肉を200キログラムとした場合、 250頭×200kgにて、50,000kgしか世に出回らないことになります。ステーキ換算すると一日700枚しかない状態。これはやはり中々に流通に出回らないことが容易に想像できます。
伊賀牛も中々のレア度であることが下記の表にてわかっていただけると思います。
肥育地域 | 年間出荷頭数 | |
---|---|---|
隠岐牛 | 島根 | 144頭 |
葉山牛 | 神奈川 | 250頭 |
石垣牛 | 沖縄 | 500頭 |
能登牛 | 石川 | 700頭 |
土佐和牛 | 高知 | 1086頭 |
伊賀牛 | 三重 | 1600頭 |
神戸ビーフ | 兵庫 | 3000頭 |
松坂牛 | 三重 | 4055頭 |
近江牛 | 滋賀 | 5000頭 |
但馬牛 | 兵庫 | 5500頭 |
長崎和牛 | 長崎 | 10000頭 |
飛騨牛 | 岐阜 | 11000頭 |
宮崎牛 | 宮崎 | 13000頭 |
年間1600頭前後しか出荷されないようなので、良い個体であれば高値で取引されて、都市部に出回りますが、そうでない場合は目につく機会が激減するブランド牛だと思います。出荷量が多ければ、良くも悪くも流通しますので。
仲居さんが全て作ってくれるので、すき焼き慣れていない方も安心です
元祖伊賀肉金谷では、仲居さんが全て準備から調理から行ってくれます。これは安心、一定品質での肉を食べることが出来るためです。
その代わり写真などは撮りにくいですけどね。
そして驚くことにランチの料金でも、7,722円するんですが。もちろん一人前。これは意図的にうまい肉を昼から食べたい!と肉道を探求している人か、お金持ちしか食べることのできない金額です。ちょっと食べてみようかレベルで触るとやけどしますのでご注意ください。
食漫画なのかギャグ漫画なのか、最後は政治漫画になってしまったのかわからない漫画、「美味しんぼ」の中でかの有名な海原雄山がすき焼きは肉を一番まずく食べる方法というような発言をされていましたが、私はそんな事無いと確信しております。
肉の脂にタマゴが絡み合い、まろやかに食べることの出来る食べ方は、そのまま食酢よりも大量の肉を食べることが出来ます。また、濃い味付けと肉の脂が溶け出した汁にて煮込まれた野菜は、野菜をほとんど食さない私でもおいしく食べることが出来る素晴らしい方法だと確信しております。
元祖伊賀肉金谷さんの7,000円越えランチにおいても、このすき焼きという食べ方のポテンシャルはいかんなく発揮されます。
仲居さんがサーブしてくれる、肉と野菜は本当に蕩ける味わいで、「うん、うまいモノ食べているな。」と納得の味です。料金だけ考えなければ最高のランチといえるのではないでしょうか。
5,000円越えてくるランチだと中々人を誘っても付いてきてくれません。肉好きの旅行同伴者、出張従事者がいる人は幸せですよね、一人で食べるより二人のほうがおいしいですから。