羽田空港は1931年8月25に「東京飛行場」として正式開業しました。実に80年近い歴史を誇ります。
その長い歴史の中でいつしか出来上がった羽田空港と言えば、、、というグルメがカレー。現在でも多くのお店でカレーを提供しています。
羽田空港第一ターミナルビルにある、Curry Dining AVION(カレー ダイニング アビオン)では、再現とはなりますが、古くは昭和の時代から羽田空港で愛されていたという、なつかしのカレーを味わうことができます。
Curry Dining AVION(カレー ダイニング アビオン)は羽田空港第一ターミナルビルにある。
ご紹介する、昭和時代のカレーが味わえるアビオンは、羽田空港第一ターミナルビルにある、「アビオン」です。
このアビオンの場所を簡単に言うと、地下にあるフードコートを正面にみて一番右側の店です。隣は「てんや」です。
羽田空港にある「てんや」でも羽田空港オリジナルメニュー食べられます。
店内は広々と作られており、一人掛けの席から複数人用のテーブル席までありますので、さまざまな人数での利用にも対応しています。
私が利用していた際には、一人のお客様が多数でしたが、大人数で来店しテーブル席でくつろいでいるグループもいました。
アビオンでは羽田空港で営業していたと言われるアビオンのカレーを「再現」しかし、ただの再現とあなどるなかれ、驚異のこだわりで作っています。
アビオンにて懐かしのカレーを味わう際には、忘れてはいけないのは「再現」であること、旧羽田空港時代から脈々と伝わってきたものではなく、
一度途切れてしまった伝統を、再現して作った味という事です。
なーーんだ、再現か、と侮るなかれ、驚異のこだわりによって昔ながらの味を再現している姿勢は、非常に良いです。
アビオンは調べるに2008年頃に復活しているのですが、その際にテレビでもエピソードが取り上げられていたようなので、以下にその内容を記載します。
東京モノレールが、東京オリンピックの開催に合わせて開通した昭和39年に旧羽田空港唯一の高級西洋料理店としてオープンしたアビオン。その一流の味に、海外のアーティストやハリウッド女優も舌鼓を打ったそうです。
高級ながら近所の人が鍋を持って買いにきたという、40〜60年代に大人気だったビーフカレーを再現し、カレーダイニングアビオンとして昨年リニューアルオープンしました。
再現には当時の料理長からレシピを教えられたノートを頼りに、試行錯誤の末、完成しました。
再現にあたり、当時と同じ材料を揃えましたが、当時北海道から取り寄せていた牧場が閉鎖していたので、味のいい野菜と和牛を探し、切るサイズまで再現。
また野菜は機械で切ると繊維が潰れ水分と旨みが逃げてしまい、味が変わるため、今でも機械を使わず当時と同じ手切りで調理。
一杯のカレーを作るのに完成まで3日かけるこだわりカレー。
現在、当時働いていたスタッフもおり、今も昔も絆で、味が受け継がれています。
レシピを元に試行錯誤し、その上当時の材料と同じものを用意しようとも考えていたようです。
時代の流れで既に手に入れられないものは代替品で対応していますが、具の切り方一つからこだわり抜いてカレーを作っているとのことです。
冷製に見てしまうと、何がここまでさせるのかは不明ですが、人の熱意によって復活を果たしたというのは熱いエピソードです。それにしても当時は鍋をもって地元の人が買いに来たというのはすさまじいエピソードですね。
店内には昔のアビオン及び羽田空港の写真も一部展示されていて、これ見るだけで楽しい。
アビオンの店内を見渡すと、店の奥側にモノクロの写真を見つけることが出来ます。
昔の羽田空港やアビオンの写真を展示しているのですが、これを見るだけで空港や飛行機が好きな人は楽しいと思います。
アビオンは当時高級西洋料理店だったという事で、お店の前に移る人たちも紳士淑女の姿をしております。
当時は飛行機で旅すること自体が高額な料金を払える人たちだけの厚意だったと思いますので、そのあたりに思いを馳せながら写真を見ていても楽しいです。
アビオンのカレーはオーダーから約40秒ほどで提供!驚異のスピードは忙しい人にも便利。
実際にカレーを食べてみて一番驚いたのは、その提供スピード。
正確に測ったわけでは無いですが、オーダーから確実に1分以内だったと思います。
お店が空いている時間帯だったとはいえ驚異の提供スピード。空港や駅などの飲食店はこうでなくてはいけません。とにかく早いは正義です。ありがたい。
カレーはグレイビーボードにたっぷりと入れてくれた状態で提供されました。
カレーがグレイビーボードに入っているだけで美味しそうに見えるのは何なのでしょうか。
カレーに合わせるご飯は、通常のご飯とサフランライスを選ぶことが出来ます。
私はなんとなくサフランライスにしてみました。
このアビオンのカレー。食べてみて思うのは、肉がでかい。ゴロゴロっといくつも入っています。
この肉がうれしくもあり曲者です。有難く食べていると肉の大きさと、こだわりの部位の影響でしょうか、脂身が多い部分でもあり、少々つらくなってきます。
カレー自体はとてもやさしい味でして、辛みやスパイシーな感じはあまり無いカレーな点もあいまって、そのまま食べ進めるのは人によっては少々飽きたりすると思います。
そんな時は卓上にある、カレー用の調味料の出番です。
たぶん唐辛子のオイルだと思うのですが、これをカレーに少量かけるだけで一気に味が引き締まります。先ほどまで肉の量が多いかな、、、と感じていたのがウソのように辛みによって脳と胃が刺激をうけ、もっと、もっと食べたい!といった状態に陥りました。
おそろしい調味料です。
出典:包丁人 味平
癖になるカレーと言えば、カレー将軍鼻田香作によるブラックカレー。
さすがに、違法薬物を混入させていたブラックカレーほどの中毒性はないですが、それでもがつがつと食べ進め気付いた時にはカレーが無くなり、「もっと食べたい!」となっていましたので、カレー+調味料パワーは恐ろしいです。
料金が1,500円となにも値段まで当時の再現をしなくても、、と思う金額ですが、一度は食べておきたいカレーであることは間違いないです。
50年前にこのカレーを食べた人はいったいどんな気持ちでカレーを食べ、その後に飛行機にのったのか?と夢想するだけで楽しいです。羽田空港第一ターミナルビルを利用するさいには、是非このアビオンを思い出し、50年前のカレーを食べてみてください。