今は日本だけでなく海外にも進出しているラーメン文化。
ラーメンにはそれぞれスープのベースの味として「醤油・味噌・塩・とんこつ」と基本的には4つの味が有名です。
この中の一つ「とんこつラーメン」を生み出したと言われるお店があるのはご存知でしょうか?
それが、福岡県久留米市にある「南京千両」(なんきんせんりょう)になります。
このお店から生まれた豚骨ラーメンが今や日本全国どこに行っても食べられるわけで、元祖・発祥グルメとしては非常に上位に位置づけされる始まりのお店です。
久留米市にてとんこつラーメンが生まれたと言われる「南京千両」にて食事してみてはいかがでしょうか。
結論
- とんこつラーメンのルーツは、横浜・東京と長崎に有り。
- 元祖とんこつラーメンは濃厚スープ。博多に慣れているとかなり濃く感じる。
- 南京千両は個人店かつおばあさんが営業されていたので、営業時間注意。公式情報の22時前に閉店していることも有ります。
- 姉妹店の南京千両マリンのラーメンは、本店とは異なるモノ。それを理解したうえで行くならOK。
とんこつラーメンのルーツは、横浜・東京で流行っていた中華そばと長崎ちゃんぽん。この二つがMixされてとんこつラーメンが生まれた模様。
とんこつラーメン元祖と呼ばれる南京千両は昭和12年に営業を開始しています。
元々はうどん屋台をやっていた店主が、横浜・横浜では中華そばが流行っているという話を聞きつけ修行に赴き技術を習得。その後久留米にて屋台ラーメンとして店をスタートさせたようです。
当時横浜で「支那そば屋」が流行しているという弟の情報をもとに、横浜の南京街(現中華街)や東京で支那そばの作り方を修得。
昭和12年に「南京千両」という屋号で、福岡県久留米の明治通りに「九州初のラーメン屋台」を誕生させました。これが「九州とんこつラーメンのルーツ」と言われています。
出典:南京千両公式HP
また、創業一族である宮本家が長崎県出身という事も有り、自信がオリジナルラーメンを提供するさいに、生まれ故郷の長崎県の代表的ソウルフード長崎ちゃんぽんを参考にブタの骨からとったスープを採用しました。
長崎ちゃんぽん自体は、とんこつスープに鶏ガラスープなどを合わせたりもしますが、久留米の地でオリジナルラーメンを作り上げる際に、とんこつスープの割合が高まり、現在のとんこつスープの原型が出来上がったものと考えられます。
宮本家が長崎県出身と言うこともあり、長崎ちゃんぽんの影響を強く受けた先代は
豚骨の「味だし」を思いつき、「支那そば」のスープに豚骨のみを使用して独自の味を作り上げました。
出典: 南京千両公式HP
食べに行って初めて分かることが有ります。九州とんこつラーメンの元祖と言われる南京千両に行ってみると、九州とんこつラーメンは長崎ちゃんぽんの影響を大きく受けているという事が判明しました。
ちなみに、長崎ちゃんぽんの元祖のお店は、長崎市にある四海楼というお店です。(四海楼は皿うどんも元祖!)
広義で捉えると、長崎市の四海楼が九州に広まるとんこつスープ文化の大元ともいえるのかもしれません。
南京千両に限らず、久留米のとんこつラーメンはスープが濃厚!呼び戻しを行うことにより、濃いスープを作り上げています。
多くの人がイメージするとんこつラーメンが、九州最大都市である福岡県の博多ラーメンや、長浜ラーメンになっている現在では、久留米で食べるラーメンは非常にスープが濃厚に感じると思います。
これは、久留米で営業する多くのラーメン屋が「呼び戻し」と呼ばれる、スープ継ぎ足しの製法を採用していることに由来します。
単純に豚骨からとったスープを煮詰めるだけでなく、さらにさらに追加していき濃いスープを実現しているようです。
豚骨ラーメンの始祖である南京千両のスープも非常に濃いスープです。
久留米でラーメンを食べるときに濃いスープのラーメンなのだ!と覚えておくとギャップにやられなくて済みます。
とんこつラーメン始まりの味は、シンプルなラーメンだった。屋台のラーメン!と考えると納得がいきます。
南京千両で食べるラーメン。パッと見た感じは現代のラーメンに慣れてしまっていると、具も少なく少し寂しい感じをうけるかもしれません。
しかし、このラーメンが屋台で生まれ屋台ラーメンとして食べられ、それが九州を席巻するとんこつラーメンの始祖になったと考えると、理解もできますし感慨もひとしおです。
スープは、長浜ラーメンなどのとんこつに慣れ親しんでいると濃く感じると思います。
濃厚な久留米ラーメンを食べなれている人だと、少し薄く感じると思います。
麺はちぢれ麺を採用。
とんこつラーメンと言えば細麺ストレート!と思われるかもしれませんが、その方式は長浜ラーメンがスタートさせています。
久留米ラーメンは基本的に替え玉という概念が生まれる前にできているラーメンですので、替え玉文化がありませんでした。
そのため、一食で満足感が高いように食べ応えのある太い麺を使っていることが多いです。
この基準の味を元に現在では多くのラーメン屋がとんこつラーメンを発展させています。そこ基準で考えてしまうと、凡庸なラーメンに感じてしまうかもしれません。しかし、元祖グルメはそれでよいのです。ここから多くのアイデアが生まれてきていると思うとやはり基準の味を食べておくと、その後のとんこつラーメンを食べ歩くときに楽しくなりますので。
お店利用時の注意点としては、南京千両に限らずとんこつラーメンやは臭いことが多い。においがきついのが苦手な人は危ないかも。
南京千両に限らず濃厚なとんこつラーメンを提供するお店は、とんこつの臭いが極限まで高められ、少し臭かったりすることが多いです。
しかし!
これは仕方ないんです、そういう食べ物ですから。
すこーーしだけくさいのですが、それが苦手な人は、もう少し洗練された現代のラーメン屋に行くことをおすすめします。
南京千両側は二十一世紀”温故知新ラーメン”という謎なアピールをしています。その文章が意味不明でおもしろい。
凄く気になったのは、南京千両自体はこのスープを二十一世紀”温故知新ラーメン”と銘打ちアピールしている点です。
折角、とんこつらーめんの元祖!という他の店からしたらよだれが出るほど欲しい称号を持っているのですから、そこメインで露出したほうが良いと思うのですが、お店の中や外の看板には、店最大のメリットを打ち消すような、二十一世紀”温故知新ラーメン”の文字が踊ります。
この案内文章、何度読んでも意味が分からない。たまらない仕上がりになっています。
”温故知新”健康を重視した二十一世紀”温故知新ラーメン”
一億総半健康人自体と言われる今日、半分健康で半分病と言われる今日、食しながら健康維持増進が求められる時代です。
{一食入魂 心魂を傾けた}
「ホワイト ブイヨン ドウ ポーク」はとんこつの濃味あるスープ、脂肪と灰汁を極限まで取り除き「西洋料理」スープを引く技法を取り入れた、コラーゲンたっぷりの味深く品よく洗練された新しいとんこつスープです。
余韻ある深い味、減塩されノドが乾きにくくあっさりした健康を重視した二十一世紀を担う元祖屋台とんこつラーメンです。
感謝
出典:南京千両
全然余計なお世話になると思うのですが、
新しいスープ ⇒ とんこつラーメンの元祖の味が味わえる
というほうがお店のストロングポイントが打ち出せると思うのです。もちろん進化は必要ですが、自社の強みを消すような打ち出し方はあまりよくないのじゃないかな~と考えてしまいます。
まあ、良いのですが。
南京千両に狙って訪れる場合は営業時間に注意。公式情報である22時前に終了していることも有ります。
個人店かつ現在運営されている方も非常に高齢なため仕方がない事ですが、南京千両は営業時間が変動します。
HP上の情報では、22時までオープンしているという事でしたが、訪れた日は20時過ぎには閉まっていました。
これは仕方がない事なので、狙って食べに行く際には昼の時間帯もしくは、夜でも早い時間で訪れたほうが良いと思います。
本店である南京千両国分と、姉妹店の南京千両マリンが営業中。それぞれラーメンを食べましたが、まったく別物と思っておいたほうが良い。
久留米にて南京千両でラーメン食べよう!という元祖めぐり好きな人がいたとしたならば、注意点としては本店である国分店と、姉妹店であるマリンでは同じ南京千両でも味が全く異なる。という点です。
マリンのお店はどちらかというとラーメン屋というよりは、居酒屋です。
多くのお客様がお酒を楽しみ、その〆でラーメンを食べるという感じで利用していました。
もちろん、どちらも美味しいですが南京千両のラーメンを食べる!という目的であるならば、全くの別物であると理解したうえで利用することが重要となります。
南京千両マリンは創業者の長女が始めているお店ですので、偽物とかそういうものでは無いです。
創業者、宮本時男さんの長女、タヅ子さんとその1人娘、恵子せんが2人で営む『南京千両 マリン』。ラーメン以外に、焼き鳥や揚げ物なども用意されている。飲んで食べた締めくくりは『スナックラーメン(小盛り)』が人気。
出典:力の源通信
ご自身でお店をはじめられたときに、オリジナルな要素を入れ込み進化しているのだと思います。
↑南京千両マリンのラーメン 居酒屋のラーメンということで量が少なめ。スナックラーメンだと更に量が少ないのかも。
国分店とマリンのラーメンを並べてみると違いが顕著にわかります。全く別物といっても過言ではないと思います。
国分店とマリンのラーメンを並べてみると、スープの色から使っている麺まで全くの別物であることがわかっていただけると思います。
↑スープの違い 色がこれほど違うと味が異なることも想像つくと思います。
↑麺の違い。使用している麺も全く違います。
再度お伝えしますが、二つは違うといっても美味しい事には変わりは無いです。(久留米にはさらに美味しいラーメン屋が多数あり、そこが懸念事項ですが。。。)
異なるモノだと理解しての利用なら全く問題ないと思います。
いろいろと注意点はあるわけですが、それでも九州とんこつラーメンが生まれたお店の味は興味が引かれると思います。
久留米は久留米ラーメン以外にも日本7大焼き鳥処ですし、そのほかにも美味しいグルメがたくさんあります。
出張や、出張合間のブレジャー、そしてグルメ観光旅行と久留米探訪を企画してみると面白いと思います。
何を隠そう私も営業時間のトラップにかかりましたが、そのおかげで他の久留米グルメを堪能でき、詳しくもなれたので良かったです。
また、国分店とマリンの違いも実食して確かめられたので満足です。