飛行機、そしてホテルに宿泊することが趣味になっている人は必然的に「旅行」をすることが多くなると思います。個人的にはこの旅行の際には、雰囲気重視で「紙の本」を読むようにしているのですが、旅行の際にはお勧めの本があります。
それは、妹尾河童さんが書かれた河童が覗いたシリーズの旅行3部作です。
まとめ
- 全てが手書きの文章とスケッチで構成された珍しい本
- ニッポン、ヨーロッパ、インドと3部作ありその全てが当時の旅行を感じることが出来る貴重な資料。
- 通常の旅行記ではなく、人、部屋などにフォーカスしたとても読み応えのある作品です。
【目次】
- まとめ
- 妹尾河童さんの旅行記、河童が覗いたシリーズは珍しいタイプの本
- 写真ではなく、「絵」にて再現される、古き時代の海外の姿にヨダレが出る。
- 文字のフォントすらも作品の一部として存在している。
- kindle版が無いので「紙の本」で楽しむしかないです。
妹尾河童さんの旅行記、河童が覗いたシリーズは珍しいタイプの本
まず、妹尾河童さんを知らなくてもこの本は読んでみたほうが良い点を強調しておきます。
妹尾河童さん自体は、
- グラフィックデザイナー
- 舞台美術家・エッセイスト
- 小説家
と多岐にわたる才能を持っていますが、この河童が覗いたシリーズでは、それらの才能を網羅的に発揮しております。
着眼点、スケッチの細かさ、執着力など常人離れしたコンテンツ制作力を発揮しています。妹尾河童さんを知らなくても単純に、古いホテル、古い外国の街、昔の制服などをスケッチでも楽しめる本となっています。
もしかしたら、妹尾河童さんの名前はドラマ化もされた少年Hという本で知っているという人もいると思います。ただ、個人的な感想では、筆者の人柄や側面を深く知ることのできる著作はこの「河童が覗いたシリーズ」特に、旅行編である、ニッポン・ヨーロッパ・インドの三部作だと思います。ただ、好きな事を書いている作品のほうがノリが分かりますよね。
写真ではなく、「絵」にて再現される、古き時代の海外の姿にヨダレが出る。
写真という、最高の光を切り取る技術がある中で、時間もかかり、精度も落ちる「絵」にて風景を切り取ることにどれほどの価値があるかは、私にはわかりません。
ただ、この河童が覗いたシリーズを読んでいると、そのままである事を切り取る事に価値がある写真にはできないことが、絵を描くという行為では表現できることが分かります。
見ると観るの違いとでもいうのでしょうか、観る部分は個人によって異なるため、そこに面白みがでます。
通常は見ることは出来ない視点である、鳥観図を自分で想像しながら書かれているわけですが、この書込みには妹尾河童さんの性格が表れています。見えていないものを想像しながら細かく描いていく。
注釈として書かれている細かな文字たちはたぶん彼が、気になったものを書き込んでいるのでしょう。
仕事に使うために調べたのか?それとも単純になんとなく書き込んだのか?それは私にはわかりませんが、必要な情報と感じたから書いた、それを夢想するのも楽しいです。
この本は、当時の海外の状況をうかがい知ることが出来ると同時に、旅をした妹尾河童さんが気になった視点に「絵」という武器で強制的に引き込んでくるれることが、面白い本なのです。
文字のフォントすらも作品の一部として存在している。
この河童さんの本は、書かれている文章も直筆の文字です。
この文字に筆者妹尾河童の性格が表れていると、いつも本を開けるたびに思ってしまうんですよね。
たぶんですが、几帳面な性格と、また他人に指示をする事が多い仕事、この二つが相まったときに、わかりやすく読みやすい文字というのが身に付いたのかな?と夢想します。この文字とスケッチがセットとなって、この本を読むとタイムトリップさせてくれる効果を発揮してきます。
kindle版が無いので「紙の本」で楽しむしかないです。
この手の古い本はkindleなどの電子書籍になっていないことが多いので、紙の本しか楽しむ手段は有りません。そこが良い点でもあり難点でもあるのですが、古い本は在庫によって購入できるか、出来ないか分かれるので、見つけたときに購入しておくのが最良の方法ですね。
機内での時間つぶしは映画もいいですが、昔ながらの読書も良いですよね。今の時代と違う旅行を楽しんでいた昔の旅行記を読むと旅のテンションも上がります。