Bleisure(ブレジャー)とはビジネス+レジャーを合わせた造語。ビジネス(出張)にて赴いた先で、休暇も楽しんでしまうという行動の事。出張休暇などともいわれたりします。
出張に有給休暇や土日の休みを組み合わせて、観光(レジャー)も楽しめてしまう最高の体験だと私は思っているのですが、どうやらこのブレジャーは日本では多くの方が利用していないようです。いやむしろ「したくない」と考えている人のほうが多数を占める驚きの結果でした。
ブレジャーの意味を知ってもやりたくない人のほうが多い。この結果には相当驚いた。
私は仕事柄、仕事と休日の境界線があいまいなので出張とレジャーを組み合わせる、ブレジャーという概念を知った時に、「そりゃそうでしょう、出張とレジャーを組み合わせるなんて当然」と感じました。
世の中でブレジャーが流行らないのは、その概念を知らないだけで、知ったら当然多くの人が「出張+自分が楽しみたい事。」をやるもんだと信じて疑わなかったわけですが、どうやらそうでは無いようです。
Expediaの調査によると、ブレジャーの内容を説明したうえで、してみたいか?してみたくないか?とアンケート調査を取った結果、驚きの結果がでています。
出典:Expedia
なんと、63%もの人がブレジャーを知ったうえで「したくない」という回答をしています。
理由としては、
出典:Expedia
- 早く家に帰りたいから
- 遊びに行っていると思われたくないから
- 帰るまでが仕事だと思っているから
という結果です。
一位の理由はわかります。そもそも観光や地方のグルメに興味が無い人も多数いるでしょう、地方でご飯食べたりするより、住んでいるエリアが何より落ち着くし、ご飯も美味しいんだという人もいるはずです。
また、何よりも家が好きという人も多くいるはずです、エアコンが効いた自分の部屋でアイス食べながらドラマを見るのが大好き!という人であれば、わざわざ出張先で美味しいかどうかわからない飲食店行くよりも自分の家で寛いでいたほうが最高の贅沢だと思うからです。この理由は納得です。
しかし、2位・3位の理由は全く理解できませんでした。
特に3位。「帰るまでが仕事だと思っているから」という理由を見た瞬間、
「遠足かよ!!」
と思ってしまいました。
恐るべし初等教育。
小さい時に誰しも一度は言われたであろう「家に帰るまでが遠足です」というフレーズが、大人になっても社会人になっても深層心理に残っているのでしょうか。
真面目に考えると、ブレジャーをしたくても出来ない人もたくさんいそう。有給取得が出来ずに断念している層もいるかも。
Expediaのまた別の発表資料によると、他の国と比較した際の日本の有給取得率は、かなりの割合で最下位を記録しています。
出典:Expedia
実は私も会社を転職に伴い退職するときにしか有給取得したことが無いので、このデータはグッとくるものがありますが、そういった退職に伴う有給取得を考慮しても年間10日平均という数値らしいので、そもそも出張に有給を加えてブレジャーをするという行為自体が定着しないのかもしれません。
出典:Expedia
有給取得率が最下位なわけですから、出張に有給休暇をつけた経験が無い人の割合と質問の切り口を変えたところで、結果はあまり変わりません。
※おもしろいのは、フランス・スペイン・ブラジルなどは有給取得率のデータだと100%消化している国々です。しかし出張+有給というデータだと取得したことが無い人が多数いるので、完全に仕事とレジャーは切り離して考えているのだと思います。
何にせよ、日本人は有休もとらないし、必然的に出張と合わせて有休もとらないし、そもそも出張先で観光などもってのほか!という考えを持っていることがわかります。
更には、ブレジャーをしている人を好ましく思わない人が多数。おそろしい!
自分が実行しないだけならわかりますが、アンケート結果によると、ブレジャーをしている人に対して、好ましくないという回答をする人が60%存在します。
出典:Expedia
遊んでんじゃないよ!という事でしょうか、仕事なんだからしっかりしろよという気持ちが入っての結果だと思いますが、これでは実際にしてみたいという人がいても実行できない雰囲気の職場だったりするのかもしれません。
ブレジャーには仕事を円滑に進めるという側面もあると思っている(たぶん)
個人的には、出張に観光を組み合わせた、つまりブレジャーをすることにより、出張先での仕事にポジティブに働くと考えています。
出張という事は仕事ですので、少なからず取引先や営業先の人と会話をすることが有ると思いますが、その時にそのエリアを知っていることは人間関係構築において非常に有効です。
雑談の切り口として有名な語呂合わせに「木戸に立てかけし衣食住」というモノがあります。
き:季節
ど:道楽
に:ニュース
た:旅
て:天気
か:家族
け:健康
し:仕事
衣:服
食:食べ物
住:住まい
ブレジャーがこの切り口に該当するというよりは、ブレジャーをすることにより(もしくは計画することにより)、そのエリアでの話題として上記の内容が自然と会話に盛り込まれます。
営業職であれば、意思決定する人に上記の話していたら、ただの雑談ですので意味がないですが、それ以外の社員などとは当たり障りのない会話をしながら好感度を上げておかなければなりません。そんな時に便利!
マーケティング職の場合は、浅い部分ですが地域特性を知る上でも参考になる情報が手に入るはず。
そして何より、人の心情として自分の住んでいるエリアや地元を好んで会話してくる人には好感度が上がります。(たぶん)
観光地や地元グルメなど話を振ると、「そこには地元の人は行かないよ」、「もっとおいしいのはこのお店だよ」と色々教えてくれるので、実際に行った後に報告すると非常に喜んでもらえます。
という事で、私は積極的にブレジャーをしますし、進めていきたいと考えています。
死ぬまでに日本全国・世界各地の行きたい場所、食べたいモノを実行したいと思うタイプなので、仕事なんかしている場合ではない!といつも思っているのですが、世の中の人はそうではない可能性が高いことがわかりカルチャーショックを受けています。